秘密の楽園

今日の仙台でのモーツァルト講座に、先週郡山でショパンの講座にいらしてくださったピアノのH先生がご参加くださいました。H先生のお嫁さんが仙台在住とのこと。地元でお奨めの老舗、鰻の開盛庵をご紹介くださいました。歴史ある暖簾をくぐると吉永小百合さんの撮影風景も飾られています。ランチタイムの後、急ぎ仙台駅から東京、池袋へ。歴史的建物「明日館」で行われた「東日本大震災復興支援コンサート 洋館で味わうオリジナル・チェンバロの魅力」にお伺いしました。
梅岡俊彦さんが主宰、企画、マネジメント、楽器運搬、調整、調律まで手がけておられておられる「秘密の楽園シリーズ」の最終回です。有田千代子先生の演奏で、オリジナルのイタリアン・チェンバロの優雅な響きを堪能させていただきました。
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楽器は17世紀ノフィレンツェの楽器製作家ジョバンニ・バッティスタ・マグネッリ(G.B.Magnelli)の作で、メディチ家の別荘に置かれていたチェンバロだそうです。4オクターブと4音(G1~c3)の53鍵。ケースは、1993年に日本で制作され、内蓋には、高倉由美子氏によってグロテスク模様が描かれています。
恍惚として聴き入っておられるチェンバロ愛好家の方々がひしめきあう中、バード、スヴェーリンク、ストラーチェ、フレスコバルディ、ブル、フロベルガーそして最後にバッハのトッカータ ニ短調が奏でられ、17世紀へ時空を超えるひとときでした。
演奏の前に行われた有田正広先生の楽器解説によりますと、ドイツのコレクターから日本にやってきたのが、1991年。以来、演奏会で2度、録音で1回使用されたそうですが、外に出して・・・ということはほとんどされてこなかったとか。有田先生ご夫妻に大切に愛され、そして梅岡さんのメンテナンスによって、紡がれたオリジナル・チェンバロの妙なる響き。
フロベルガーの「いずれ来るわが死に寄せる瞑想」の和音を耳の中で繰り返し鳴らしながら、静かに帰途に着きました。

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