神奈川県民ホールにて開催されました神奈川フィル・モーツァルト・ディスカバリーに出演させていただきました。
かなフィルさんとは、これまで定期演奏会、室内楽シリーズ、名曲コンサートなどでたびたびご一緒させていただいてきています。昨年に続いてのレクチャーコンサートとなる今回は、モーツァルト晩年にスポットを当て、《交響曲第40番ト短調》と《ピアノ協奏曲第27番変ロ長調》を取り上げました。
前半のレクチャーでは、指揮の伊藤翔さんと一緒に、変ロ長調とト短調それぞれの名曲における光と影、晩年のモーツァルトについての新説や手紙の紹介、第2楽章などにおけるフレーズ構造とつなぎの妙、この時期に見られる語法などについて展開していきました。
1791年に完成されたモーツァルト最後のピアノ協奏曲第27番。しなやかな第1楽章、透明な美しさを持つ第2楽章、そして第3楽章の飛翔は、比類のない輝きを放っています。「この世への惜別」などという言葉で語られることの多い曲ですが、実はアラン・タイソンの五線紙研究などにより、1788年にはすでに第1楽章から第3楽章の一部まで完成されていたことがわかってきています。
1791年に作曲された ヘ長調の「春への憧れ」より、むしろ1788年頃作曲していた「コジ・ファン・トゥッテ」の中の 変ロ長調のドラベッラのアリア「恋は小さな泥棒」のほうが、特色のある旋律の共通点や雰囲気の類似が見られます。
けれど、”学会”ではなく”音楽会”なので、小難しく聞こえないよう、楽しい進行を心がけました。伊藤さんと1台のピアノで切れ目なく繋がるフレーズを実演したり、コンサートマスターの﨑谷さんの協力のもと主題をハ長調と変ロ長調と両方で演奏し、違いを感じていただいたり・・・。盛りだくさんの内容となりました。
ソプラノの山口清子さんが友情出演でドラベッラのアリアや「早春譜」「春への憧れ」で美声を披露。ステージに花を添えてくださいました。
梅雨の合間、青空に向けて飛翔したくなるような晴天が広がり、「モーツァルト日和」@横浜 となりました。
モーツァルト三昧の午後を終え、演奏会にご協力くださいました「重慶飯店」で打ち上げ。
次回に向けてのステップ、今後の夢を語り合いました。
お世話になりました神奈川フィルの皆様、ご来場くださいました皆様に心から感謝しております。
コメント
久元さんが演奏されたことのあるファミリアホールがいよいよ存続の危機に立たされています。
何とか助けてください。
神戸はこのまま心を失ってしまうのでしょうか。