アマデー君、遊びましょ!

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8月もあっと言う間に終わってしまいました。蝉の声が鈴虫の声に変わり、西瓜が葡萄に席を譲り、なんとなく秋の気配が、、、。
夏休み、心ゆくまで遊んだ子供たちにとっては新学期に友達と会える日が楽しみになる頃でしょう。
もっとも宿題やコンクールや塾通い、部活など、忙しい子供たちも増えていると聞きます。
皆さまの夏はいかがでしたか。
私は大学の頃から好きな漢字は?と聞かれたとき必ず「遊」と答えてきました。学生時代、練習に明け暮れ、ほとんど遊びを知らないまま卒業してしまったのですが、、、。
さて、先日の神戸、垂水での演奏会の後、野口秀夫先生から一冊のご著書を頂戴しました。タイトルはズバリ「アマデー君、遊びましょ!」
「貴女のモーツァルト、まだまだ遊び心が足りんよ!もっと勉強しなさい、でなくって、もっと遊びなさい!」というお言葉を頂いたようで(笑)、夏休みに楽しく拝読させていただいた次第です。
野口先生の「遊び」のなんと学術的なこと!
野口秀夫先生のことは、ホームページのリンクなどで、以前から存じ上げておりました。
野口先生が主宰されておられる神戸モーツァルト研究会にも、神戸に深いご縁が出来た今、是非参加させていただきたいと思っていたところです。
昨年KV331の自筆譜発見に基づくCDをリリースさせていただきましたが、その少し後、渡邊順生先生が全音から楽譜を出版されました。あらゆる学術的資料にあたられた渡邊先生が「現段階でKV331に関しての一番詳しい論文は野口秀夫さんのものだ!ただ面白いことに会話形式で書かれてるんだよ!」と仰っておられました。
今回の野口先生のご本も論文調ではなく会話形式で、難しい内容が遊び感覚で理解出来るようになっています。
ベーズレ書簡を中心に、言葉、数字、音楽を縦横に深く掘り下げ、徹底追及されています。
モーツァルトの書簡集を読み解くことは、作品解釈の大いなる助けになりますので、私も作曲当時の手紙など丹念に読んできたつもりでしたが、、まだまだ甘い!ことを痛感。
モーツァルト一家が飼っていたペットのワンちゃんのことなど、私はすっかり読み飛ばしていましたし、愛犬の呼び名の由来など考えたこともありませんでした。
そして長年”意味不明”として片付けられているベーズレ書簡中の「スプニ・クーニ」という言葉。果たして卑猥な意味なのか、それともベーズレちゃんとモーツァルト2人の間の暗号なのか、、、。
天国のモーツァルトさん、250年後の日本で、貴方を愛し、貴方の遊びをとことん究明せん!と情熱を注いでいる方が神戸におられますよ~~!

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