モーツァルトが愛したピアノフォルテの響き

五反田文化センターで開催されました学研プラス主催のレクチャー・コンサート「モーツァルトが愛したピアノフォルテの響き」に出演させていただきました。使用楽器は、ヴァルター・モデルとシュタイン・モデルのピアノフォルテ。
現代楽器とピアノフォルテの2台を使うことはよくありますが、ヴァルターとシュタインのピアノフォルテ2台というマニュアックな演奏会です。それにもかかわらず、たくさんの皆様にお聴きいただき感謝しています。
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イタリアでフォルテピアノ(イタリアでは、現代のピアノのことをピアノフォルテ、歴史的ピアノのことをフォルテピアノと呼びます)の演奏会をしてきたばかり。イタリアの空気やモーツァルトが弾いた貴族の邸の雰囲気が体にまだ残っている中でのコンサートとなりました。
けれど一番違うのは、時間の感覚です。好きなときに出ていいよ・・・というイタリア式と、きっちりと時間通りにタイムスケジュールが確保される日本式。
舞台袖の大きな時計の秒針を見ながら「あと24秒です」と言われ、時間ピッタリに舞台のドアを開けてくださるほどの正確さでした。
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学研プラスから出版の「名器から生まれた名曲」シリーズの第1弾、「モーツァルトとヴァルター・ピアノ」のステージ版ともいえる今日のコンサート。本ではお伝えしきれない「音」を披露させていただいた一夜でした。
秋晴れの美しい朝、「コンサート日和!」と嬉しくなって会場入りしましたが、夜になって気温が下がったせいか、舞台が暖房に切り替わり、汗だくで弾くことになってしまったKV397。そして、舞台のスポットライトで、だんだんフォルテピアノの音程が微妙に狂ってきたり・・・。と冷や汗と熱汗のコンサートでもありました。
イタリアでは一滴の汗も出なかったのに・・・。やはり湿気の国、日本です。今後、フォルテピアノの演奏会のときに、照明には細心の注意を・・・と思った次第です。
フォルテピアノの持つ軽やかさ、繊細さ、微妙な変化をつける楽しさなど、一歩一歩アプローチする中で、楽器との一体感を感じる瞬間が少しずつ増えてきました。
お世話になりました学研プラスの皆様、ご来場の皆様に御礼申し上げます。

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