雨の日の三菱一号館美術館。
宿命のライバル、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロを比較する展覧会を鑑賞。
建築、解剖学、科学の分野にまで及ぶ研究で知られる万能の画家、レオナルド。
かたや10代から頭角を現した天才彫刻家ミケランジェロ。イタリアを舞台に繰り広げられた競作、対立をはじめ、二人の個性と美術観の違いを浮き彫りにする企画でした。
「絵画と彫刻のパラゴーネ(比較)」と題されたコーナーでは、ミケランジェロの「背を向けた男性裸体像」の力強い素描に圧倒されました。
「顔と目の比率の研究」や「馬の前脚の習作」など細部を徹底的に追及し、緻密なアプローチに基づく絵画を完成させたレオナルドに対し、ソネットを愛し、美を追求し、沸き起こる情熱で対象に向かい造形したミケランジェロ。左利きのレオナルドと右利きのミケランジェロ。脳の構造も異なる天才だったのかもしれません。
弟子たちは、二人の素描を間近に見ながら学んでいったそうです。
表現の原点である素描や、完成した芸術作品に至るまでの習作を見ることは、とても興味深く、演奏を仕上げていく過程にも通ずるものがありました。
全体像、理想像をイメージすると同時に、部分練習をしながら磨いていく作業は、部分の素描を徹底的に行い習作を重ねることと共通するように思えます。
イタリアの2大巨匠にして、作品を仕上げるまでのたゆまぬ修練と努力の蓄積!
我々凡人は、この何百倍もの努力と勉強が必要・・・!と一緒に行った学生たちとつぶやいた次第。
出口の手前、写真OKの部屋で、二人の巨匠に敬礼して美術館をあとにしました。
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