昨夕、立川を出発。夜に安曇野に入りました。
「こっちは温かいよ!20度だから5月上旬の気温」というあづみ野コンサートホールの館長さんのお言葉でしたが、昨日、天気が急変。一挙に気温が下がり、ホテルの朝食会場からテラスを見ると氷が張っていました。山の天気は変わりやすい!って本当です。
そんな寒い安曇野でしたが、会場は温かい雰囲気の演奏会になりました。
コンサートの最後に「見上げてごらん夜の星を」を会場の皆様が一緒に歌ってくださったのですが、
豊かな声量とハーモニーに驚愕!急遽決めて、歌詞カードを休憩時間にお配りしたので、準備された方は皆無なのにもかかわらず、私の前奏が終わると自然に声部が分かれ、ハーモニーが溶け合い、皆の心が一つになりました。
ホールでも定期的に合唱活動が盛んですし、普段から歌っておられる方が多かったからなのかもしれません。松本方面からもお客様がいらしてくださっていましたが、松本はオペラが盛んなことで知られる都市ですし、マエストロ小澤征爾さんのオーケストラ、フェスティバルなどで、音楽会に足げく通われる愛好家の方も多く、音楽が皆さんの日常の中に根付いていることを実感しました。
永田音響設計によるあづみ野コンサートホール。天井が高く、木の温もりが響きを助けてくれますので、奏者にとってありがたいホールです。館長夫人の孝子奥様が、ベーゼンドルファー 225 ヨハン・シュトラウスモデルの音を聴いた瞬間涙が出て、「この楽器!」と決められたそうです。今日も歌と溶け合う柔らかな音色を奏でてくれました。
最多出場アーティストとして、毎回温かく迎えてくださり、
「ただいま~」と里帰り気分で扉を開け、弾かせていただいています。
鳥の鳴き声、山の稜線、山葵田に流れる清水、田園風景・・・。
滝廉太郎、山田耕筰歌曲に登場する日本の原風景が、ホールの窓からすぐ見えるのが嬉しい本番でした。
ゆったりと聴いてくださるお客様が、後奏の最後の余韻まで楽しんでくださっているのが伝わり、伴奏者冥利につきるひとときでした。
普段、多くのオペラの舞台で大活躍の福井さん。様々な性格の歌を見事に演じ分け、ノーブルで張りのある情熱的な声で会場を魅了。
コメント