卒業

安曇野のホテルの窓からは、日の出が美しく見えました。鳥の合唱が始まる時間です。
雪が少し残る山道ですが、芽吹きを感じさせる木々を見ていると春まじか!

気分良く、安曇野を出発したのですが、帰りの中央道は大渋滞。初狩パーキングエリアも春休みに入った子供たちでいっぱいでした。

翌3月19日、大学の卒業式に出席。

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キャンパスは、晴れ着の女子大生たちでお花畑のよう。
袴が主流の卒業式スタイル。雪や雨が降らなくてよかった!

開式は、奏楽で始まります。後藤洋作曲「輝く日への前奏曲」が山本英助先生指揮、国立音大ブラスオルケスタ―で演奏されました。続いて「君が代」斉唱。大学院、学部卒業生合わせて423名。声楽の先生、学生も入った斉唱は、力強く講堂に響き渡ります。

学長のご祝辞では「練習は嘘をつかない」「決してあきらめない」など演奏家としての心得が述べられました。

式典終了後、各科に分かれ学位記、修了証書授与式が行われます。今年は司式を担当。
まじかで、学生の晴れ姿と笑顔に接することができました。高校生のあどけなさを残しながら入学して4年。成長を遂げ、大人として巣立つ瞬間に立ち会えるのは感無量のひとときです。

ひと昔前の卒業式は、涙をすする声が聞こえてきたりしましたが、今は賑やかで晴れやかな卒業式です。常にラインやメールやFBで繋がりがキープされる若者にとって「卒業式=別れ」という感覚はないのかもしれません。そして「進路報告書」が全学生によって提出されるので「行方」がわからない卒業生は皆無です。

教授陣のほうは、夜に行われる謝恩会の直前まで来年度に向けた会議が行われ、ほかの先生方と一緒に会場に駆け込みました。「キャー!先生!一緒に写真、写真」と記念撮影ラッシュ。あとで写真を見ると、どのショットも学生の皆が全員私より背が高いのです。自分では小柄だと思ったことは一度もないのですが、写真は正直です。

一生に一度の大学卒業式に備え、美容室で最高のメイクアップをした22歳。足が長く、顔が小さく、目が大きい現代女子に囲まれた写真がいっぱい残りました。みんなそれぞれの道で、素敵な未来に向かって羽ばたいてほしいと願っています。

卒業と言えば、先生方の中にも大学を「卒業」なさる先生が毎年いらっしゃいます。最後の教授会で定年を迎えられた先生のご挨拶があるのですが、毎回「え~!信じられない。」と驚いてしまいます。

いつも少年のようないたずらっぽい目で笑い、式典でも力強い指揮をされておられたトランペットの山本英助先生が65歳になられていたなんて驚愕ですし、見目麗しいオペラの先生や若々しく生き生きとした作曲の先生など・・・。どなたもマイナス10歳~20歳にお見受けする方ばかり。

音楽の学び舎で、音を楽しみ、若者と共に過ごす生活は、忙しさの中にもエネルギーと若さが満ち溢れる時間ということかもしれません。

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