ショーメ

三菱一号館美術館で開催中の「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界~1780年パリに始まるエスプリ」を鑑賞。

宝飾にはほとんど縁がない私ですが、会場いっぱいに飾られた華麗なショーメの世界にはため息。。。
「ショーメ」は、ナポレオン一世と皇妃ジョゼフィーヌの御用達ジュエラーとしてスタート。1780年からの長い歴史を誇り、今なお制作が続けられています。

革新を追及しつつ、伝統を守り、歴史を受け継ぐ・・・。このことは、宝飾に限らず、美を追求する世界の共通項と言えましょう。

ロマン主義を経て、ジャポニズム、アール・デコなど様々な時代の潮流をどう作品に取り入れるか、パリの貴族たちの厳しい審美眼に鍛えられながら、常に第一線を守り抜いてきた矜持が光を放っていました。

会場では、美しいティアラやネックレスなどに魅入られた女性たちの熱い眼差しが注がれていました。
宝飾は、女性の身を飾るだけでなく、愛の証となったり、典礼的な意味を持ったり、霊的な力を表すこともしばしば。そして200年前の光と輝きを失わない永遠の美の世界。普段素通りしてしまう宝飾品コーナーですが、絵画に描かれた女性が身に着けている宝飾品の実物展示など、興味をそそられました。

ところで、今年のリサイタルでは、モーツァルトのパリ旅行で生まれた曲を取り上げます。
「リゾンは森で眠っていた」による変奏曲、「私はランドール」による変奏曲、そしてピアノソナタKV310 。すべて1778年パリで作曲された作品で、「変奏曲」には、この頃のパリのエスプリが感じられます。洗練された軽やかさ、飛翔するようなデザイン、流線形のライン、上品な輝き、遊び心・・・。

時代を超えて眼前に広がる光と輝きに満ちた世界を生き生きと表現したいと思っています。

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