朝日カルチャーセンター新宿、「モーツァルトの即興演奏」

朝日カルチャーセンター新宿 (新宿住友ビル)で、「モーツァルトの即興演奏」と題した講座を担当させていただきました。

0603-2

モーツァルトの「プレリュード ハ長調 KV284a(カプリツィオ KV395(300g))」から弾き始め、モーツァルトの即興演奏を偲ばせるいくつかの作品を弾きました。

天才作曲家・モーツァルトは語り尽くされていますが、演奏家としてのモーツァルトは、後世の私たちにはわかりません。「ラフマニノ・フプレイズ・ラフマニノフ」というラフマニノフ自作自演のCDを作曲家の間宮芳生先生のお宅で初めて聞かせていただいたときは、大感激しましたが、そんな「モーツァルト・プレイズ・モーツァルト」は、今後も出てくる可能性はゼロです。乗り移ったかのような名演にはお目にかかることができるかもしれませんが。。。
「私はモーツァルトだ。モーツァルトの魂が私を呼んでいる」と叫びながら、モーツァルトを弾く人がいたら、ほとんどオカルトの世界です。
でも、遺されたスコアやモーツァルト自身の言葉から、想像を巡らせることは出来ます。
モーツァルトの時代、作曲家と演奏家は一体でした。楽器を弾けないで、作曲した人は誰もおらず、自分の曲は自分で責任を持って弾いていた?!時代でした。モーツァルトは、ヴァイオリン、ビオラも弾けましたが、なんと言っても、当時きってのクラヴィーアの演奏家であり、またオルガニストでした。今風にはピアニスト兼オルガニストであり、パーフェクトな意味で、パフォーマーコンポーザーです。
ピアニストとしてのモーツァルト像を追い求めることは、私にとり、魅力あるテーマであり続けています。
これからも、モーツァルト時代の楽器、モーツァルトの手紙、楽譜、当時の演奏慣行や記録などをヒントに、演奏家モーツァルト像のパズルを解いていきたいと思っているところです。

コメント