富良野散策

旭川空港からの飛行機出発までの時間、富良野に足を伸ばしました。
あいにくのお天気でしたが、植物にとっては恵の雨。しっとりした空気に花たちが喜んでいるように見えました。
札幌に住んでいるとき、何度か富良野を訪れたのですが、ラベンダーの花が咲いているシーズンをいつも逃してしまい、咲いているのを見たのは、今日が初めて。紫色の可憐な花が香しく、嬉しいリラックスタイムとなりました。
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まさに花の絨毯!圧巻でした。
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ゴルフ場の跡地が、2008年にフジテレビ系で放映されたテレビドラマ「風のガーデン」のロケ地になっており、たくさんの花々で埋め尽くされていました。花の名前、花言葉などを読みながら、ゆるやかな坂を歩くのは、楽しいものです。倉本聰氏の脚本による「風のガーデン」は、中井貴一さん主演のドラマですが、残された最後の命を自然の中で過ごす美しい映像が印象的でした。このドラマの最初に使われていたのが、モーツァルトのピアノ・ソナタKV533ヘ長調の第1楽章。何故、ソナタの中でもマイナーなこの曲が使われたのか、、、、ずっと気になっていました。
モーツァルト晩年の作品、残された人生あと3年という頃のソナタです。もしかしたら、それを意識しての選択だったのかもしれません。最近の研究では、モーツァルトの最後の4年は、宮廷作曲家として野心と自信にあふれ、新しいステージに飛躍しようと希望に燃えていたことがわかっています。ヨーゼフ2世お好みのフーガの語法も取り入れ、立体的に進む難曲です。
ドラマのほうも、複数の声部が絡み、対照的な主題が交互に現れ、見応えがありました。今日は「風のガーデン」でなく、「雨のガーデン」になってしまいましたが、KV533を口ずさみながら、花の中を歩いたひとときでした。

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