モーツァルト:ピアノ四重奏曲  ト短調

5時から7時半まで、モーツァルト ト短調の四重奏曲の合わせ。
ヴァイオリンの大関先生、ヴィオラは読響の松井さん、そしてチェロは阪田さん。
去年の夏、金沢と新潟でご一緒して以来、半年ぶりの合わせです。
回数を重ねると相手の息遣いがより見えてきて、お互い、こまやかに聞こえてくるのが、アンサンブルの面白いところ。 

モーツァルトは
「テンポは、音楽でもっとも大事なもの、そしてもっとも難しいもの」
と言っていますが、どういうテンポをとるかは、全体の流れから見ても、個々の細かい部分においても、とても大切なキーポイントです。

音響によっても変わってきますし、その日のテンションによっても変わってきます。
ピアノの場合は、弾く楽器によっても影響します。

半年ぶりの第3楽章。
「今日、ゆったりめだよね?」「10歳ほど若返らせましょうか。」
と引き締まるテンポにもっていきます。
「うん。これ、新潟のときのテンポだ。」

メトロノーム記号を作曲家が書いていない曲の場合、演奏者によって決まるテンポ。同じ Andante でも、曲によってみんな違ってきます。

この曲は、第3楽章も第2楽章もピアノの前奏でテンポが決まってしまうので、責任重大。
モーツァルトは、どんなテンポで弾いたのだろう、と思いを馳せながら、午前中は、モーツァルト時代の楽器でパッセージを練習しました。
ヴァルターーだと軽やかなところはうんと軽やかになり、ディナーミックも思い切って大胆に表現することができます。
この感覚を生かしながら、現代ピアノで弾く本番にもつなげたい、と思っているところです。

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