魔笛 ハイライト

国立音大オーケストラスタジオに6時集合。
明後日の本番のための練習です。

前半は、四重奏で緊密なアンサンブルを目指し、後半は、魔笛の舞台に参加させていただく機会を頂戴しました。

オペラには、普段参加することがないピアノ弾きですが、
今回は、”パパゲーノの鈴”役で参加します。
恋人を連れてきてくれる魔法の鈴の音は、
ハ長調の明るいアルペジオで始まります。

品田昭子さん扮する Knabeに連れられて舞台に出て行き、
パパゲーノに扮するバリトンの山下浩司さんが
「鈴さん、お願い!」。
それに応えて
「は~い。任せて」
という具合で弾き始めるという演出。

金沢で、初めてこのグロッケンシュピール役?!で出たときは、
ソロのリサイタルの何倍も緊張!
役をこなしながら歌うオペラ歌手の方たちに敬服した次第です。

ホノルル・シンフォニーでオーケストラの勉強をしていたとき、
オペラシーズンは、最高に楽しい時間でした。
オペラのステージを作るまでのさまざまな過程に立ち会うことができたからです。
消防法のゆるいホノルルのステージでは、クライマックスで本物の火も登場。
万が一に備えて舞台袖で消火器を持ったスタッフも待機。
ステージマネージャさんが
「YUKO。もしものときは、あの出口から逃げろ」
と耳元でささやくスリリングな舞台でした。

今回の演奏会は、金沢、新潟公演よりさらに曲目充実。
タミーノのアリアも増え、フィナーレはバージョンアップ。
本来ならば、長いオペラをハイライト方式で、つなげていきます。
不自然にならないよう、しかもみんなが演奏しやすいよう、という配慮とご苦労は、大変なものと想像します。
練習中、足本憲治さんのお洒落な編曲に拍手が起きました。

それにしてもオペラ作曲家モーツァルトの最後のオペラ「魔笛」は、譜面を見るたび、そして音にするたび、新たな発見の連続です。
それぞれのキャラクターによって見事に雰囲気を描き分け、しかも場面によって、心情によってそれらを変化させていく才覚。
しかもすごいのは、重唱です。
みんな違う歌詞を歌っていながらハーモニーとして成り立ち、音楽としての立体感を生み出す”人間オペラ”の魅力。
ピアノ曲の解釈の上でもヒント満載のモーツァルトオペラです。

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