GROUP82・墨画

銀座画廊美術館で行われた、第21回GROUP82の墨画展を拝見しました。
華やかな色彩の油絵と違い、墨色が主の墨画の世界。
会場も渋く、凛とした静けさが漂います。
ところが、会場内を歩いているうちに、墨の濃淡の向こうからさまざまな音が聞こえ、色が見えてきます。
実在の色より、さらに色とりどりの変化が見えてくるのです。
想像の世界の色とでもいうのでしょうか。
白黒の映画なのに、豊かな色彩と情感を感じることがあるように、墨の力には、驚かされます。

下北の灯台を描いた作品は、波の音と海に映る灯台の灯りが墨色から浮かびあがり、遠い遠い記憶さえ呼び起こしてくれます。
「蓮とロウソク」は、ポイントに彩色され、墨とのコントラストが美しい作品でした。大胆なテクスチュアと色使い、迷いのない大らかで自信に満ちた筆遣いとリズム。

演奏にも通じるようにも思えた墨画の世界でした。

コメント