TOMOTOMOの会

昨日は、九州在住の音楽学者、堀朋平さんとお会いし、来月、大阪の住友生命いずみホールで行われるレクチャーコンサートの打ち合わせ。
WEBでの意見交換やメールでのやりとりで大筋を決めてはいたものの、やはりピアノを前にして初めて見えてくる事の多さを実感しました。

連弾の合わせなどもしたあと国立へ。堀さんの恩師でもある礒山雅先生のご自宅に一緒にお伺いし、ご仏壇にお参りさせていただきました。

国立・大学通りは、桜の花と菜の花が満開。そしてご自宅のお庭は、奥様が丹精込めて育てておられる春の花たちが見事に咲いていました。
先生の書斎を拝見させていただきますと、部屋の4面は、天井まで音楽書がぎっしり。貴重な資料の宝庫であり、数々の名著が生まれたお部屋でもあります。
バッハ《マタイ受難曲》の自筆譜ファクシミリは、背表紙が擦り切れているほど。常に原典である自筆譜を研究されておられたお姿を思い、胸打たれました。

なぜか本棚に私の拙いモーツァルト本を数冊置いてくださっており、お恥ずかしい限り。すぐにでも引き上げてきたい気分でした。きっと先生が”ダメ出し”をしながら読まれたに違いありません。

一夜明けて今日は、感染対策を徹底した上でサロンコンサート。名付けてTOMOTOMOの会。ソーシャル・ディスタンスをとってのレクチャー・コンサートですが、音楽の波動がお聴きくださる方との「心の距離」を縮めてくれるようでした。

堀さんのお話の中で、ヴァルター、シュタインなどのフォルテピアノやチェンバロが登場し、「5オクターヴはどれくらいの長さなのかしら?」「軽やかな音って今のピアノに比べてどう違うの?」など休憩時間に質問が目白押し。時代が異なる鍵盤楽器10台が並ぶサロンならではのタイムトリップコンサートでもありました。

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