基礎ゼミ@国立音大

4月に入り、大学の新年度も始まりました。新入生のための基礎ゼミも5日から始まり、朝9時から夕方5時半までオーケストラ・オペラコンサート、室内楽コンサート、講演などギッシリ詰まったスケジュールがスタート。初日はベートーヴェンのエグモント序曲に始まり、モーツァルトの4大オペラのハイライトシーンが大ホールで演奏されました。ラストはドン・ジョヴァンニの《地獄落ち》のシーン。

入学おめでとう!でいきなり《地獄落ち》というのもブラックジョークという気がしないでもないのですが、黒田博先生演じる「ドン・ジョヴァンニ」、久保田真澄先生の「騎士長」の迫力に圧倒された新入生たち。地獄から這い上がる強さで、貪欲に学びの環境を使いつくしてほしいです。

翌日は私も室内楽コンサートでモーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番を演奏。ト短調の第1楽章、これまた緊張感あふれる曲での始まりです。たいていは、前半の提示部を繰り返し、後半は繰り返し省略、という事がほとんどなのですが、今回ヴァイオリンの永峰高志先生の提案で繰り返し「あり・あり」で演奏。「どこに連れていかれるかわからない坩堝に嵌った」緊張感が、新鮮でした。藤森亮一先生と初めてご一緒させていただき、名器アマティの音にバスを支えていただいた幸せなひとときでした。

3日目、福井敬先生の講演が終了後、「歌」と「息」について興味を持った学生達が次々にレポートの内容を変更。22日の提出が楽しみです。

私の18歳の春は、入学式が終わり、いきなり分厚い資料を渡され、手探りで履修登録した直後、「水疱瘡」になって初回のレッスンに欠席。情けない大学スタートでした。

それに引き換え、桜満開の入学式のあと、懇切丁寧なガイダンス、施設案内、教諭陣入魂の基礎ゼミ&入学お祝い演奏、、、至れり尽くせりの2021年新入生。
パンデミックの中、あらためて音楽の力を実感し、スタートを切ったニューフェイスにとって、実り多い4年間となりますように!

キャンパスは、ベビーグリーンの若葉と応援花がいっぱいです。

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