9月1日、多治見市文化会館大ホールで行われました「くにたちコンサート」に出演させていただきました。
前半、岐阜県同調会会員のみなさんによる熱演の数々。
卒業後、故郷で音楽活動を続けておられる「くにたち」ファミリーの結束と友情を感じました。
リハーサル練習を小ホールで行い、GPと本番は大ホールの会場へ・・・という恵まれたタイムスケジュール。
コンサートでは後半、ヴァイオリンの大関博明先生と、モーツァルトのヘ長調KV376のヴァイオリン・ソナタを弾かせていただいた後、私のソロでベートーヴェンの作品110のピアノ・ソナタ。
そして加納悦子さんにより、リストの歌曲とトマ「ミニヨン」のアリア。
リストの歌曲は初めて伴奏しましたが、さすがに名ピアニストであったリストの曲だけに、伴奏のピアノは実に効果的です。弾いていて快感を覚える見事なピアノ譜です。
大関先生の爽やかなヘ長調のモーツァルトに始まったコンサートは、アンコールもモーツァルトの「春への憧れ」です。ヘ長調で締めくくられました。
打ち上げパーティーで庄野学長先生がおっしゃられたように、多治見は日本一の暑さと聞き、身構えて出かけたのですが、一雨降った後とかで、それほどでもなく、楽しい3日間でした。
「幻の酒」三千盛は、さっぱりしていて、のど越しも爽やか。翌日にも響かず、嬉しいお酒でした。
ところで、今回のもう一人の主役?!は「天井裏の鈴虫」でした。
大ホールのGPのとき、何かリリリリリンという音がずっと聞こえていたのです。
「何かしら?」と耳をすますと、なんと鈴虫!の鳴き声でした。
おそらく暗い天井裏か放送室か照明室にでも入り込んだのでしょう。1300人の大ホールで、本番までの時間に捜索、捕獲は不可能でした。
ベートーヴェンのフーガを弾いていても、リリリリリ。
アンコールの「春への憧れ」のときも、ずうっと、リリリリリ~ン。
お客様の中には、「セミの声がずっと聞こえるんですが・・・」とおっしゃっていた方もいらっしゃいましたが、出演者一同、「絶対鈴虫だったよね!」
以前、上野の奏楽堂で演奏中、
「焼き芋~え。焼き芋」
の声が遠くで聞こえたこともありましたし、
ザルツブルクのミラベル宮殿で演奏中、たくさんの小鳥が窓から入り込み、私がドビュッシーを弾いている間中、ずっと「チュンチュン」鳴いていたこともあります。
フランスでフランクの「プレリュード・コラール・フーガ」を弾き終わった瞬間、教会の鐘の音が響いてきたのには、思わず感動。
コンサートではハプニング的な音の侵入は常につきものですが、鈴虫は、初体験。
「あたしの声のほうがきれいでしょ!」
と強気の秋一番鈴虫には、まいりました。
焼き物の街、多治見は、江戸時代から続く窯元があったり、文化の街でもあります。今回は、公開レッスンなどの予定もぎっしりで、あまり観光できなかったのですが、いつかゆっくり・・・・訪れてみたい街でした。
岐阜県同調会の皆様に心から御礼申し上げます。
コメント
自然で好いです、ね。