生ジョリヴェ

東京文化会館で開催された「東京シンフォニエッタ第49回定期演奏会」に伺いました。

メシアンの《世の終わりのための四重奏曲》から「7つのトランペットのための狂乱の踊り」でスタート。
4人の名手がユニゾンで繰り広げるリズムの狂乱。ピタッと動きが合う踊りを見ているときのようなリズムの快感!

髙橋敦さんのトランペット・ソロで演奏された武満徹の《径ーヴィトルド・ルトスワフスキの追憶に》。
ポーランドの作曲家ルトスワフスキの追悼として書かれた曲は、伸びやかな旋律と、ミュートをつけた弱音とが交互に現れます。それは現実と夢の交錯でもあり、天国からの声との対話のようでもあり、小径に移る影のようにも聞こえる神秘的な世界でした。

圧巻は、坂井俊博さんのソロで演奏されたジョリヴェのトランペット協奏曲2曲。特に最後に演奏された《トランペットのための第2協奏曲》では、指揮の板倉康明氏と東京シンフォニエッタが一糸乱れぬアンサンブルを奏でる中、絶好調の坂井氏が縦横無尽にトランペットの魅力を全開。トランペットって凄い!と会場全員が熱狂に包まれました。創設メンバーである坂井氏への信頼が、音の絆に変容。素晴らしい演奏に酔いしれました。

生でこの曲を聴いたのは、初めての体験。いい演奏会はエネルギーを与えてくれることをあらためて実感した一夜でした。
会場では、藝大卒業の頃からご指導いただいた植田克己先生に久しぶりにお会いできたり、メシアン研究で論文を発表されたばかりの音楽学の陣内みゆきさんとお話しできたり・・・。いい音楽会ではいい人に会える!嬉しい時間となりました。


(フォトOKのインタビュー・タイムで撮らせていただきました)

次回は第50回。新しいステージに立つTSのさらなる飛躍を願って上野から帰途につきました。

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