2日間の神奈川アートホールでの練習を終え大船に移動。「そういえば大船観音ってどこにあるのかしら?」と思いながら深夜ホテルに到着。翌朝、窓のカーテンを開けてびっくり!なんと観音様が目の前に!
お天気の神様の応援もあり、ベーゼンドルファー(280VCピラミッドマホガニー)の搬出・搬入も無事完了。朝9時からベーゼンドルファー・ジャパンの津田克巳さんの調律開始です。
神奈川フィル鎌倉公演、本日のプログラムは、モーツァルト:《劇場支配人》K486序曲、プーランク:ピアノ協奏曲、後半がブラームスの《交響曲》第2番。指揮は鈴木優人さんです。鎌倉芸術管は木の温もりが音を包んでくれるようなしっとりとした音響。そしてピラミッドマホガニーの愛器は、プーランクのpppからfffまで敏感に応えてくれました。
ボストン交響楽団(シャルル・ミュンシュ指揮)でプーランク自身のピアノによって初演されたコンチェルト。多彩な音色とメランコリックな旋律、粋な和声に炸裂するリズム。とにかく変幻自在でファンタスティックな音楽です。聴く人を、そして弾く者をも虜にする魔力を備えたこの曲を知ったのは、一昨年。板倉康明氏監修のスコア(全音)が日本で出版された時でした。
管との掛け合い、弦との溶け合い、、、様々な場面で室内楽的な楽しさに溢れています。各楽器の音色を知り抜いたプーランクのオーケストレーションの匠さ!これまでプーランク:クラリネット・ソナタなど室内楽の経験があってよかった・・・と思いました。
魅力も満載、そして落とし穴も満載?!のスリリングな曲でしたが、「コンチェルトは究極のアンサンブル」ということを実感した3日間でした。
マエストロ鈴木優人さんとは、「いつかベーゼンドルファーで連弾!」のお約束。
2重奏の瞬間も見事な美音を奏でてくださったゲスト・コンサートマスターの佐久間聡一さん。
ピアノのアンコールは、プーランクがこよなく愛したモーツァルト。《劇場支配人》と同じ年に書かれた《ロンドニ長調 KV485》にしました。この曲の旋律がプーランク:協奏曲第3楽章に引用されており、後半のブラームス第2番シンフォニーがニ長調なので、それに繋げたい。。。という思いで。前半の軽やかな舞台と打って変わった重厚な後半のブラームスは舞台袖で鑑賞。心に沁みました。
オーストリア大使、イスラエル大使、コソボ共和国大使などもご来場くださり、国際色豊かな客席。
終演後エリザベート・ベルタニョーリオーストリア大使と記念撮影。優しい笑顔とともに「ウィーンで生まれたピアノが、鎌倉で美しい音を届けていることが嬉しい。低音の豊かさ、高音の輝き、メロディの温かさをありがとう!」とのお言葉を賜りました。
お世話になりました神奈川フィルハーモニー管弦楽団の皆様、鎌倉までお越しくださいましたたくさんのお客様、そしてベーゼンドルファー・ジャパンの皆様に心からの感謝を申し上げます。
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