今年のお正月

もち米を取り寄せ、自らお餅を作る京都の友人がいて、ここ数年、毎年おすそ分けしてくださっています。
83歳を過ぎて私よりはるかに元気な女性です。
粘りときめ細かな味わいのお餅が、お庭の南天の実と一緒に届くと、お正月気分も盛り上がります。

学生時代、東京の実家にいたときは、角餅にお醤油味のお雑煮でした。
友人から聞いたお雑煮でユニークなのは、四国のあんこ餅のお雑煮です。甘いのと辛いのが混ざって独特の美味しさだとか。また、新潟では、「いくら」の半熟がかけてあるお雑煮だそうですが、半熟にした「いくら」というのが想像できない感じがします。

24歳でお正月を関西で過ごすようになってからは、丸餅、白味噌のお雑煮です。
野菜もすべて丸く切るのは、「人間が丸くなるため！」というのは、義母の説でした。
どうも家族で”丸く”なっている人はいないように思いつつ、今年も神戸のお店で「雑煮大根」と「金時人参」を用意し、暖かで穏やかなお正月を過ごしました。

東京では、めったに売っていない細身の大根です。

おせちを作ったり、友人宅を訪ねたりして楽しい時間を過ごし、あっという間の年越し、お正月祝いでした。
明日からは、もとのように忙しい日常が始まります。
東京でのリハーサルのため、新幹線に乗ろうと、列車の中で譜読みする予定の楽譜と淡路屋さんの駅弁を手に改札を通ろうとすると・・・・なんとなんと！東京行の新幹線は、すべて「新大阪行き」になっているではありませんか。

駅員さんに詰め寄る人、茫然とため息をつく人、帰途に着く息子さんに帰り方を指示しているお父さんなど、駅はごった返しています。

時計が12時なのに、掲示板は9時台の列車の表示。お屠蘇で目がおかしくなってしまったのかと思いきや、
大変な事態になっていることがわかりました。
有楽町付近で火災が起こり、ダイヤは大幅な乱れ！

けっきょく東京まで8時間近くかかった計算です。新幹線で立って帰るはめになるとは、新年最初のチャレンジングでした。