雷雲の切れ目を侵入?!

数日前、映画「トップガン マーヴェリック」で飛行機操縦シーンをしこたま見たので、搭乗すると操縦席が気になってしまう私です。

先週の福岡に続き、今日は高松へ。第18回東かがわ市コンサートにヴァイオリンの永峰高志先生とご一緒させていただきました。
台風の影響を心配しながらの出発でしたが、到着前、まさかの雷雲発生。

「こちら操縦席からご案内申し上げます」とバリトンの落ち着いた声でアナウンス。
高松空港上空に雷雲が発生しており、到着出来ないので旋回を続ける。天候が良くなるのを待つが無理と判断した場合は、岡山空港に到着地を変更することもあり得る、とのこと。追い打ちをかけるように、女性の声で「今現在、見通しは立っておりません。」

45分旋回したところで「ただいま、雷雲に切れ目が出来ましたので侵入を試みます。」とアナウンス。乗客全員無言のまま固唾を飲み、祈る気持ちで外を見つめます。けっきょく一時間遅れで高松空港に到着。その瞬間、機内で拍手がおきました。インターネットで情報を現地に送っていた永峰先生。先にリハーサルを始めていた現地の皆さんの間でも同時に拍手が起こったそうです。

高松空港まで迎えにいらしてくださっていた東かがわ市コンサート協会の原彪先生。5分遅れ、15分遅れ、1時間遅れ・・・と掲示板の数字が増えるごとに心配されたそうです。しかも一つ後の便であるJALは、早々に諦めて岡山空港に変更したとのこと。積んでいる燃料のせいだったのでしょうか?!原先生は以前羽田に引き返されてしまったこともあったとか。いずれにせよ、まずは一安心。志度の源内音楽ホールへ急ぎました。

ヴァイオリニストの西浦詩織さんはじめ、準備万端で迎えたラ・レゾナンス・アンサンブルの皆さん。
順調にリハーサルが進み、永峰先生の一言一言で音の方向が一つにまとまっていき、明日の演奏会が楽しみ。
前半のDUOは、ブラームス、シューマン、ヨアヒムなど一昨年レコーディングした曲と空港で楽譜をいただいたアンコールピース、ピアソラの「リベルタンゴ」。

500席というクラシックに最適な広さ、木の温もりのあるホール。リハーサルをしていると長いフライトの疲れが吹き飛んでいくのがわかります。
昭和63年にフルートの帝王、故ジャン・ピエール・ランパル氏が来日し当ホールで演奏会を開催。その時演奏したドビュッシーの《6つの古代墓碑銘》を「生涯で最高の演奏だった」と言ったことが縁で名誉館長に就任。ランパル氏の美しい銅像が飾られていました。

またハイドンが活躍したアイゼンシュタットと志度市は姉妹都市。ホールで行われたハイドンフェスティバルのチラシも保存されています。

ホテルチェックイン後、夜の海が見たくなり、地図を頼りに(と言っても、地図を読めない女の典型である私は、マップのナビ頼り) 小豆島行きフェリー乗り場付近へ。大好きなDIVA高橋薫子さんの故郷は、この海の向こう。。。と想いを馳せながら潮風に吹かれ海辺を歩きました。

遠くに見える赤灯台。お散歩中の熟年カップルの方にお聞きすると「1キロはあるよ。歩くのは無理だな。」と一言。でも神秘的な朱色の光に誘われるように月明かりの中、潮風に吹かれて20分ほど歩くと、目の前に赤灯台!温かく静かに海を照らしていました。

JR高松駅前には、海水を引き込み潮の香りと波音を楽しめる海水池公園もあり、しばし夕涼み。健康アプリを見ると12000歩。程よきお散歩でした。
明日の演奏会に備え、再びナビにホテルを入力。おとなしく部屋に戻り眠りにつきました。

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