ピアノ選び

年末から年始にかけては、毎年仕事がどっさり。。。
あぁパニック!となりそうな時、思い出すのが、今は亡き祖母の言葉。「ひとつ、ひとつ。」「あわてない、あわてない」「大丈夫、大丈夫」です。
戦中、戦後の大変な時代を生き抜いた祖母の声は、優しいけれど芯がありました。祖母の手をマッサージした時の柔らかな感触を今でも思い出します。

今日はニューイヤーコンサートで弾かせていただくピアノ選びに、ベーゼンドルファー・ショールームへ。
2台とも同じベーゼンドルファーMODEL280VCなのですが、楽器は人の声と同様、1台1台個性が違います。

昨晩、御年90歳になられるフジコ・ヘミングさんが演奏された柔らかな音のピアノ、来週若手男性ピアニスト4人が腕を競う「コンチェルトの夕べ」で使用するパリっとした音のピアノ。。。

それぞれに異なる良さがあり、迷うところです。PPの音色はこちらが良いけれど、ffのパワーはこちらがある。。。
1楽章はこっち、2楽章はこっち、ということができたらよいのにね。。。などと調律師さんと冗談(半分本気?!)を言いながら最終決断。

普段は442HZで会場入りするピアノ達ですが、今回はウィーン・サロン・オーケストラのリクエストで、少し高いウィーンピッチの443。ほんの僅かのピッチの差なのに、実際、音色が明るく軽くなります。

会場のピアノを使う場合、借りている時間内に一般使用の442まで戻して帰らなければならず、それはほとんど不可能なこと。
ということでベーゼンドルファー・ジャパンのご協力に感謝し、最新のMODEL280と一緒にオペラシティ入りさせていただきます。

弾きこみを終え、外に出ると満月が美しく光っていました。

コメント