陶芸と漆芸

陶芸瑠璃色と朱色の対比が美しい饗宴です。
陶芸と漆芸。まったく違う質感が一つの空間で出会い、それぞれの主張の中に、個性が見えるひとときでした。

蔵王で制作されておられる鈴木智さんの作品には、神戸・六甲道の素敵な珈琲館「信州安曇野」で偶然出会いました。リンゴの木の灰から生まれた温かな色合いのコーヒーカップを練習の合間に愛用させていただいています。また長野県木曽出身の大蔵達雄さんの重厚な根来塗のお椀は、親友のお宅で馴染みの器です。

思いがけず、そのお二人の作品の数々がお隣同士、並んでいました。お二人の出会いは、今回が初めて。企画展をなさったプロデューサーがお引き合わせをされたそうです。コンサートのプロデュースと同じで、コラボ成功の決め手は、プロデューサーのセンスと勘なのかもしれません。

もともとの素材は、土と木。自然から生まれ、人のぬくもりの中で生き続ける自然の力。以前、停電の日に、蝋燭と月の光の中で食事をしましたら、いつも使っている器が特別美しく見えました。漆も陶器も魅力を増すのです。自然の光だからかもしれません。

盃、お椀など日常 手にとって、口に触れ、生活とともに使う道具は、愛でて綺麗なだけでなく、使い心地もよくなければ「良い器」と言えないのでしょう。以前、お酒を飲まない陶芸家の方が作られた焼酎お湯割りマグを使ったことがありますが、お湯を入れると熱くて持てなくて、けっきょく愛用するに至りませんでした。酒飲みの気持ちは酒飲みにしかわからない?かもです。

お酒を飲まれる鈴木さんの盃は、お酒を入れることを想定して作られています。
富士山の柄のついた鈴木さんの小さな盃をお正月用に求めました。富士山を見ながら日本酒を入れるのが楽しみです。

「陶芸と漆芸の饗宴展」は、日本橋高島屋で19日まで開催中です。

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