モーツァルトとショパンが愛したピアノ

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フィリアホールで開催されました「神奈川フィルの名手による室内楽シリーズ・モーツァルトとショパンの愛したピアノ~2台のフォルテピアノの聴き比べ~」に出演させていただきました。共演はヴァイオリンの﨑谷直人さんとチェロの山本裕泰さん。

プレイエル(1843年製)とシュタイン(1788年モデル・ズッカーマン製作)を運び入れての演奏会です。
若き日のショパンの情熱あふれる瑞々しいショパンのピアノトリオ、晩年のモーツァルトの円熟したピアノトリオK542のほか、デュオ、ピアノ・ソロなど盛りだくさんのコンサートとなりました。

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シュタインでのモーツァルト・ヴァイオリンソナタK304。繊細な音色が﨑谷さんの輝きのあるヴァイオリンに寄り添います。敏感なタッチやピアニッシモの微細な表現など、シュタインは、弦とのアンサンブルにも適した楽器です。

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ショパンの「序奏と華麗なるポロネーズ」を山本さんのチェロで。ショパンが後援者ラジヴィーウ公爵とその令嬢のために書いたこの曲、山本さんの見事な腕前が冴えます。シングルエスケープメント機能のプレイエルは、同音反復は得意な楽器ではありませんが、ベテラン山本さんが支えてくださいました。

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急遽、「楽器について話して・・・」とのリクエストで、トークコーナー。愛用の2台についてご紹介しました。

普段A=440で弾いているお二人が、歴史的ピアノA=430に合わせてくださいましたが、音程を自分で作る弦楽器奏者にとって、それがいかに大変なことかは想像にかたくありません。「この1週間、ほかの曲もこの音程で弾いてるんだ」と﨑谷さん。「さっき鼻歌まで430になってた」と笑う山本さん。お二人に心からの感謝!です。

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歴史的楽器を用いての演奏会、いつも不思議に快晴に恵まれています。ところが、今回は、晴れ女がたたって?!舞台は過乾燥状態。﨑谷さんがヴァイオリン・ケースの中の湿度計の数字を見ながら渋い顔。「やばいよ。乾燥しすぎだ!」 歴史的ピアノよりももっとOLDのヴァイオリンを演奏されているわけですから、過乾燥には神経質になるのは当然のこと。

ピアノも木でできた楽器ですので、過乾燥は、割れの原因にもつながります。私のプレイエルも普段、温度、湿度を一定に管理していますので、今回ハードな環境にさらした数日間となりました。がんばってくれた2台の楽器たちにも感謝です。

ウィークデイの昼公演。お客様がはたしていらしてくださるのかしら?!とちょっと心配だったのですが、満員御礼!!クラシックコンサートのマチネは、土日、という固定概念が崩れてきたのかもしれません。

お出かけくださいました皆様、お世話になりました神奈川フィル、フィリアホールの皆様に御礼申し上げます。

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