オルガンとの邂逅

「オルガンを弾く機会を逃さないように」
これは、シューマンの「音楽の座右銘」の中の言葉です。
これまでポジティブオルガンなどは、時々弾かせていただいてきました。けれど巨大なパイプオルガン、しかもいずみホールのオルガンのように、多くの巨匠が来日し、名演を重ねてこられたような楽器に触るのは、、、50年早い?!無謀な企みといえましょう。
今回、オルガンで2曲「アヴェ・ヴェルム・コルプス」と「グラスハーモニカのためのアダージョ」を弾かせていただくことになり、嬉しさと怖さの半分半分でリハーサルの日を迎えました。
このオルガンを制作されたイヴ・ケーニヒさんは、フランス伝統の技術とドイツのジルバーマンのスタイルを融合させておられるそうで、「オルガンは、魂を削り、それを残していく楽器」という言葉を残されております。
眼前に聳える立派な楽器を見上げ、緊張気味にステージから裏の階段を上がって鍵盤へ・・・。高所恐怖症の人は無理!という場所です。
最初は、重いと感じた鍵盤ですが、何度か弾くうちに、パイプのふたをコントロールする弁がタッチの具合で微妙に異なることが指先から伝わってきて、面白くてやめられなくなりました。しかもエレガントな音、壮大な音、深い音、華やかな音、、、、ストップによって劇的に響きが変わるオルガンマジックの世界に魅了された数時間。
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オーケストラのように、さまざまな楽器が頭上に現れます。色を足していくという面では、まるで絵を描いているような快感ですが、指先はちょっとでもあいまいなタッチがあるとすぐに100倍になって返ってきます。
足ペダルは、平らに並んでいると思っていたのですが、微妙に足先で位置がわかるように段差がつけられています。
演奏家への配慮と表現の多彩さへの追及が随所に感じられたオルガン・ビギナー感激のひとときでした。

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