根津ピアノ@甲府

沼津での対談コンサートを終えた翌朝、若山牧水記念館再訪。ちょうど池内紀先生が200冊のご著書にサイン中でした。1冊、1冊丁寧に万年筆でサインされ、おまけに色鉛筆の絵が入ります。手にとられるファンの方も嬉しいことでしょう。「神戸は、僕が社会人になって初めて暮らした大好きな街」と仰る池内先生と神戸での再会をお約束し、お先に失礼いたしました。
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お昼近くに沼津を出発。旅の達人、池内先生も「甲府経由で長野までか・・・。そりゃぁ大変だね。」と笑っておられましたが、徒歩や馬車の時代ではありませんので、現代の旅は有難い限り。
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身延線は初めて乗る電車。わくわくします。
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朝の海の風景から一変。午後は山の風景へ。
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知らない名前の駅がたくさんありました。どんな歴史があるのだろう・・・と由来を想像しながら、車窓を愉しみました。
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甲府駅を降りると素敵な建物が!
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明治8年に建てられた小学校の校舎が移築され、今では記念館として地元の方に親しまれています。
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お庭では、シェイクスピアの薔薇が満開。建物の中に入ってみました。
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「根津ピアノ」として残されているピアノは、甲州財閥の根津嘉一郎氏が、昭和8年に県下全小学校へ寄贈したピアノのこと。この記念館に残されているピアノは、日本楽器製造株式会社(現・ヤマハ)で製造されたNo.1 NIPPON GAKKI S.K.K モデルとありました(製造番号19423)。
根津氏は「社会から得られた利益は社会に還元する義務がある」という信念をお持ちの方だったそうです。
記念館に置いてあるピアノは、たいてい「お手を触れないでください」とあるのが普通です。
ところが、ここでは、「お弾きになりたい方は係員にお申し出ください」とのこと。
たまたま出会った赤ちゃん連れのご夫婦のために数曲プレゼント。驚くほど真剣に聴いてくれた甲府の赤ちゃんの瞳が嬉しかったです。古いピアノであるにも拘わらず、想像以上に、きちんと調整がされていました。
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根津ピアノの横には、現代ピアノが置いてありました。普段は、現代ピアノのほうで、地元の若い音楽家たちがコンサートをされているそうです。旅の途中で出会った素敵なスポットでした。
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甲州夢小路で遅めのランチ。「小さな蔵の美術館」に立ち寄り、アンティーク・ジュエリーコレクションを拝見。ため息が出るような18世紀~20世紀初期までのヨーロッパのジュエリーが展示されています。恋人の髪を入れる18世紀後期の美しいペンダントや花言葉で愛する人に思いを伝えるロマンティックなジュエリーなど。モーツァルトやショパン時代のサロンに思いを馳せながら、数々の宝石を鑑賞。
2階では草間彌生版画展を開催中。エネルギーが迸るような作品の数々が目に飛び込んできます。元気をいただいた甲府のひとときでした。

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