いずみホール:ナネッテ・シュトライヒャー

大阪、いずみホール にやってまいりました。
今年のコンサート(平成24年5月25日) に出演させていただきましたご縁で、いずみホールの情報誌、「ジュピター」の新連載、「ピアニストが案内するモーツァルト」 を担当させていただくことになったのです。
作曲家、演奏家としてのモーツァルト、ピアノ作品、当時の楽器などについて書かせていただく予定ですが、連載の内容についてご相談している中で、私の演奏もアップし、音と連動して楽しんでいただく試みをしてみましょうということになりました。フォルテピアノやクラヴィコードなど、ピリオド楽器も使います。
すでに、1829年製ベーゼンドルファー、クラヴィコードなど私が所蔵している楽器による収録を終え、今日は、ホールにあります「ナネッテ・シュトライヒャー」を使っての録画です。

いずみホールは、大阪城の近く、ホール内のヨーロッパを思わせる雰囲気にも感激しますが、音響の素晴らしいホールとして有名で、数々の来日演奏家からも絶賛されています。ピアノを弾いていてもピアニッシモが一番後ろの方の耳に届いている、と実感できるホールです。

その いずみホール のピアノ庫で出会って以来、一目惚れならぬ一耳惚れしてしまった「ナネッテ・シュトライヒャー」。1820年代制作の楽器で、時代の香りを今に伝えてくれています。しばらくぶりにステージに登場したナネッテ。ピアノ庫にいたときより、少しばかり堂々として見えます。それにしてもウィーンの名器、音だけでなく見た目も美しい!
マジパンのような美しい足!
というウィーンのオペレッタの台詞がありますが、まさにマジパン色のつややかさです。

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ナネッテ・シュトライヒャーの調整、調律は、大阪在住の修復・調律家である山本宣夫氏です。
ウィンナーアクションの調整は、非常に手間のかかる作業ですが、朝から入ってくださり、夜までずっと付き添ってくださいました。
以前、山本さんが復元されたクリストーフォリのフォルテピアノを触らせていただいたことがあるのですが、あのときの印象は、今も忘れられません。
その後、楽器フェアや楽器関連の催しでお会いすることがあったくらいで、今回初めて長時間ご一緒させていただきました。

山本さんの調整、調律が終わり、弾いておりますと、どんな微細なタッチもすくいとってくれるようなきめ細かさを持っている楽器であることを実感しました。ウィンナーアクションの軽やかな動きが、心地良いひとときでした。
高音は、1829年製ベーゼンドルファーより、よく響く感じがしました。

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アップにしてみますと・・・・。
まず銘板です。

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次に、ペダル。5本のペダルが装備されていて、細やかな変化が可能です。

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収録終了!山本さん、そして、いずみホール の森岡めぐみさんと一緒に。
おつかれさまでした~!

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今日で、今年の仕事納め・・・ということで、このあと大阪の街の夜景を楽しみながら、音楽談義に花が咲きました。
JR快速で、神戸に向かいました。

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