阿部 真也と仲間たち 室内楽コンサート

「阿部 真也と仲間たち 室内楽コンサート」 に出演させていただきました。
指揮は、阿部 真也さん、管弦楽は、「阿部真也と仲間たち室内合奏団」です。

モーツァルト : 交響曲 第29番 イ長調 KV201
モーツァルト : ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 KV466 
モーツァルト : 交響曲 第41番 ハ長調 KV551 《ジュピター》

まさにモーツァルト三昧という本日のプログラム。
私は、ニ短調 KV466 のコンチェルトを弾かせていただきました。
白寿ホール (渋谷区富ヶ谷) は、初めて演奏するホール。ゆったりとしたシートで知られるホールです。
新しいスタインウェイを技術部長の外山さんが調律してくださり、リハーサル開始です。

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ステージ上の音と客席での響きはかなり違うことがしばしばです。リハーサルでは、自分の耳を客席に出張させたい!と思うことがしばしばありますが、その”出張耳”が調律師さんです。会場と楽器と音響と演奏家の演奏スタイルを熟知している調律師さんのアドバイスによって、安心して本番に臨むことができるのです。
ステージ上で弾くとピアノの音の上にオーケストラの大きな音がかぶっているのでは・・・という一抹の不安を感じたのですが、会場で聴いてくださり、会場には豊かすぎるくらいにピアノの音が鳴っている、むしろこういう小さめのホールなのでピアニシモをうんとつけないとずっと同じように響いている感じになってしまう、というアドバイスをいただきました。
こういう一言がその日の音色と音楽をある意味決定づけることもあり、本当にありがたい存在です。
モーツァルトの音楽には、天使と悪魔が同居していて、特に緊張感に満ちたこのニ短調のコンチェルト、ドラマと叙情の中に、弾く者に多くの喜びと多くの落とし穴が待っている曲です。

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それにしても阿部真也さんのエネルギーと音楽への情熱には、脱帽の一日でした。
スタッフまかせではなく、細かなことまで自分で手配。演奏が終わって舞台袖に戻り、「これから10分間、いえ15分間の休憩です」と、陰アナまでご自分でされてしまう・・・。
一人一人の演奏家のこと、モニターに写る会場の様子、すべてをオーガナイズするというスタイルです。

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昨日、一昨日とオーケストラ合わせがありましたが、自分のイメージを明確に持ち、それを押しつけるのではなく、提案し、一緒に創っていくというアプローチ。
「え?こんなに出して大丈夫?」と言う奏者の方に、その背中を押すように、さらに大胆な表現や冒険をしつつ全体のバランスをとりながら音楽を創っていかれました。

仲間や友人の方たちとみんなで一緒に音楽をする喜びが原動力になっていて、ミューズの神様に仕える者、大集合!のかけ声で集まったミュージシャンたちによるコンサート。
客席にまでその波動が伝わり、モーツァルト色に染まった白寿ホールでした。

共演させていただきました阿部さんと仲間の皆様、そしてお寒い中、いらしてくださいました皆様に心から御礼申し上げます。

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