ベルカントの真髄

朝日カルチャーセンター新宿におきましてレクチャーコンサート「名テノールの歌う ベルカントの真髄」が開催されました。ご出演はテノールの小林一男先生、お話は礒山雅先生です。
小林先生によりアレッサンドロ ・スカルラッティ、レスピーギ、ロッシーニの歌曲が披露され、合間にアレッサンドロの息子ドメニコ・スカルラッティのソナタやイタリアで学んだバッハの息子、ヨハン・クリスティアン・バッハのピアノ曲を弾かせて頂きました。
小林先生のご活躍は、オペラ「夕鶴」、N響の第九など、私が子供の頃から拝見してきました。ヘルマン・プライら外来の大御所との共演など数々の名舞台に出演し、日本のオペラ界を牽引してこられた方です。
その後、国立音大の声楽科教授として母校の発展のために尽くされ、ニーノ・ロータ作品の日本初演のプロデュースなどの業績も記憶に新しいところです。
いつもダンディで、キャンパスを歩くときも凛として歩いておられました。
イタリア仕込みの小林先生の歌の伴奏をしていて思うのは、イタリア語の美しさです。言葉自体が音楽になっており、それを歌に乗せて想いを伝える素晴らしさ!
そこには大ホールにフォルテッシモで轟かすのとは異なる、デリケートで官能的な世界がありました。

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