オンライン授業2年目

緊急事態宣言中、オンライン授業、オンライン会議などコンピュータ前の時間が増えました。音大の教育現場で、オンライン導入が行われるという想定外の昨年は、Google Classroomというアプリの前で、ほとんど右往左往しているうちに終わってしまった感じでしたが、助けてくださる周りの皆さんのおかげで、今年度はコンピュータに疎い私でさえも、少しずつ道筋がわかってきました。

理論系の授業に関しては、オンラインの効用も多く「わからなかったところは、動画を何度か見て確認ができるのでありがたい」という学生の意見があったり、「資料を紙媒体でいちいちコピーして配布しなくてよいので助かる」とアシスタントさんがにっこりしたり、、、。

けれど大学の校門が閉まる夜の9時には必ず終わっていた対面の会議も、オンラインでそれぞれの教授が自宅から参加となると、夜の11時になることさえあります。その間、画面の半分を使って書記の当番が回ってきたりする日には、目と肩と頭にどっと負担が押し寄せる感じです。ピアノは何時間弾いても疲れない身体でも、デスクトップからエネルギーを吸い取られるような日もあるのが正直なところです。また学生の課題提出時刻が夜中の3時半だったりすると、答えが正解かどうかよりも、健康かどうかの方が心配になってしまいます。

ところで、シリコンバレーに行ったことがある友人が、そこで働く人達の姿勢の良さに感心した話をしてくれました。前のめりになってデスクトップの画面に向かっている人は皆無で、全員が肩を椅子の背につけて楽な姿勢でキーボードを打つ、という基本を守っていたそうです。毎日の授業動画作成のために腰を痛めてしまった先生や、画面の見過ぎで目の不調を訴える学生の話を聞くにつけ、今後は、健康を保ちながら上手にコンピュータと付き合う技が必要になっていくだろう、と感じています。

いずれにせよ、大変な医療現場におられる方々に心から感謝しつつ、各人が感染しない、感染させない生活を守らなければなりません。お互い、気を引き締め、細心の注意を払いながら、収束の日まで健康な毎日を保っていきましょう。

先日、チェンバロの武久源造先生がメールをくださいました。「コロナはもう少し続くでしょうが、この後、世の中はがらっと変わるだろうと思っています。その時には、きっと、良い音楽が今よりももっと必要とされるでしょう。その時のために、お互いに、エネルギーを蓄えておきましょう!」

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