国立音楽大学夏期講習会~社会人対象~

毎年恒例の社会人対象の夏期講習会。尊敬するピアニスト、安井耕一先生の後を継いで始めさせていただいたのが2015年。以来、毎年ご参加くださる方もいらして長いお付き合いが続いています。
今年も国立音大のスタジオが「開かれた空間」として活用され、全国から「音楽」という共通語の目的で多くの皆様がお集まりくださいました。ピアノの先生、一般企業でお仕事をされながらピアノを続けておられる方、卒業生として母校で勉強できるのは嬉しいと言ってくださる方まで。。。人生の達人、先輩方と一緒のひとときは、とても新鮮です。

今年の課題はベートーヴェン初期のソナタ4曲。
「子供の時分は、興味がなかったベートーヴェンだけれど、大学受験で挫折して”こんちくしょう”と思った時、ベートーヴェンが心にガンと響いてきた」
「学生の時試験で弾いたベートーヴェン、嫌で嫌でしょうがなかったけれど、年齢を経てあらためて見るとすごい作曲家だと実感した」など
お一人お一人の人生、生活の中でベートーヴェンとの接点は様々。鋭い質問をいただいたり、私も心を素にして時間と空間を共有させていただきました。

大学所有のフォルテピアノを使っての講座、フォルテピアノ体験もプログラムに入れました。「5オクターヴのこんな小さなサイズの楽器でベートーヴェンが作曲したなんて信じられない!意識が変わりました。」という感想をいただき、運搬、調律をしてくださった大学関係者の方々にも感謝です。

今回、現役大学生も公開レッスンに参加。
「コロナ禍でずっと先生とのレッスンはパーテーション越しでマスクをしたままだったから今日は嬉しかった。」という一言に心が痛みました。昨年の卒業生は4年間の大学生活のほとんどがコロナ禍でしたから、顔の下半分を見ないまま卒業してしまった学生もいます。

常連で毎年来てくださっている方も
「コロナ前、食堂で先生と一緒にみんなでランチしてお喋りしたのがすごく楽しかった。早くまたそういう時期が来るといいな、と思う」と。

大学構内では、今も感染予防策は継続中です。
「with コロナ」の時代、どのように密な交流が可能か、課題を残したひとときでもありました。

また再会の日まで・・・。皆様お元気で!

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