東大和市のハミングホールで開催された東大和市民合唱団「第九を歌う会」第23回演奏会に伺いました。ハミングホール開館とともに「第九を歌う会」が発足したのが2000年。2001年から毎年演奏会を開催してこられた市民の皆さんの結束の固さと音楽愛と継続の力に大拍手の午後でした。
今年2024年は、日本でのベートーヴェン《第九》初演の1924(大正13)年からちょうど100年にあたります。日本全国、様々な《第九》の催しが続いていますが、「第九を歌う会」は、あえて《第九》ではなくヴィヴァルディとバッハというプログラム。
昨年に続き、指揮は大塚直哉先生。団員の方々からの信頼も厚く、バロックを熟知した的確なタクトで全体を統率され、コーヒーカップ・コンソート(コンサートマスター=桐山建志さん)、ソリスト、合唱団を一本の糸に纏め上げる手腕に脱帽です。ソリストの沼田臣矢さん(テノール)、小林恵さん(ソプラノ)が普段から合唱の指導をされておられることもステージの一体感に繋がっているのだと感じました。
外はあいにくの雨模様でしたが、ヴィヴァルディ:グローリアがニ長調で祝祭的に始まった途端、会場の空気が晴れ渡り、ステージの歌声からエネルギーが溢れました。ロ短調、ト長調、ホ短調、ハ長調、ヘ長調、ニ短調、、、と4度関係の光と影に色を変えながら曲が進み、最後ニ長調に回帰。あらためてヴィヴァルディの色彩感と和声の魅力を再認識。イタリア・カトリックの華やかな教会建築を思わせる音世界でした。
休憩を挟んで後半はドイツのプロテスタント、バッハの深い祈りが歌われました。カンタータ、第4番と第147番。
当日用プログラム「後期バロック二大巨匠の宗教音楽」の充実した解説と歌詞対訳を書かれた加藤拓未さんと会場でばったりお会いしました。
以前、明治学院で開催されたベンジャミン・ブリテンのコンサートでジョン・エルヴィスさんの伴奏をさせていただいた時以来、10年ぶりの嬉しい再会でした。
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