続々カワイ講座・リスト『巡礼の年・イタリア』

カワイ表参道コンサートサロン パウゼ で開催中の
ピアノ演奏法講座 『続々・一歩上を目指すピアノ演奏法』(全5回シリーズ)。
第3回は、リスト:「巡礼の年 第2年 《イタリア》」から3曲、
「婚礼」 「サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ」「ペトラルカのソネット 第104番」
を取り上げました。
リストの作品は、昨年11月に「愛の夢」とコンソレーションをとりあげましたが、今回は、より高度なテクニックと音楽的な内容と背景を含んだ作品です。

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三度進行など宗教的な感動を表すときに使うハーモニー、クロマティック転調など緊張感を突き詰めていくような場面のハーモニー、それらを楽譜から読み解きながら、大胆なコントラストと豊かな響きによって大きな表現力が求められるリストの作品。
リストの演奏を通じて、ピアノ演奏の幅を広げる契機にしていただきたい ― そのような願いを込めて、ピアノ弾きとしての意見を述べさせていただきました。

使い古したリストの楽譜ですが、若いときにきらびやかな音に隠れて見えてこなかった微妙なニュアンスが、ほんのちょっとしたきっかけで浮かび上がってきたりする瞬間があります。
私は決して自分を「リスト弾き」、とは思っていないのですが、ピアノの楽譜棚を占める割合はリストは上位3位に入っています。
おそらくリスト全曲シリーズは絶対に挑戦できないと思うのですが、まだまだ知らない曲があり、リストの作品は折に触れてレパートリーに入れていきたいと思っています。

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