スポーツ≒音楽?

音楽の世界には「スポーツ観戦」を趣味としておられる方が意外に多いように思えます。
アウトドア派、インドア派に分けると「音楽」は、インドア派。
スポーツ系、文科系に分けても後者に入るはずなのですが、なぜかスポーツの話題が楽屋や研究室でよく出ます。観戦に悦びを感じる方は、結果をニュースで見るのでは面白くもなんともないそうで「勝利に至るその過程がいいんだ!」と力説されます。

巨人が勝つとご機嫌だけれど、負けると癇癪玉が落ちる・・・というピアノの先生もおられるとか。数年前ドイツから調律師さんがいらして、食事をご一緒したとき「僕はスポーツは一切観ないしわからない」と言いながら、ドイツのサッカーチームのメンバー全員のポジションと年齢と出身と家族構成を知っていたのにはもっと驚きました。

私自身は、スポーツは観るものでなくやるものだと思っていたところがあり、野球観戦などにもあまり出かけたことがありませんでしたが、最近は、テレビの実況中継が、ふと目に入ると思わず見入ってしまうこともしばしば。オリンピックでは、人間業とは思えないフィギュアスケート選手の回転、スキーのジャンプ、そしてカーリングなど団体競技のチームワークを見ていると泣けてしまいます。

肉体の限界に挑戦し、速さや距離や美しさを競う、そのことがやはり見ている人に感動を与えるのでしょう。羽生選手のフリー観戦は、夜中の視聴率としては過去最高だったとか。日本人の4人に1人が夜中の3時に起きて応援をしたという計算だそうです。

私は、この夜は、3/4組のほうでしたが、先日、神戸でリハーサル後、弓弦羽(ゆづるは)神社に寄りました。羽生結弦選手が、名前が似ている神社ということで、3年前に絵馬を奉納。ファンの間で話題になっていることをお好み焼き屋さんの女将さんから聞いたのがきっかけです。

「世界のトップになれますように・・・そして東北の光となれるように!2011.7.31羽生結弦」と書かれています。仙台で被災し、スケートを続けることに迷い、神戸の地で、またスケートを続ける決心をした16歳の少年が夢を絵馬に託した瞬間です。

音楽の世界でも「演奏」は、肉体で奏でるという意味で、かなりの程度、スポーツの要素も多い分野です。
そしてレジェンドと言われる葛西選手の年齢は、音楽の世界では、「これから円熟期」という年齢にあたります。

名演技や見事な技から勇気と元気をもらった音楽家の数も多かったのではないかと思います。

コメント

  1. yuko より:

    けんさん、
    コメントありがとうございます。普段夜中テレビを見ることは皆無なのですが、原稿書きで徹夜している間に、フリー演技をライブで見ることができ泣きました!
    ラフマニノフは、何度も弾いたことのある曲なので、どの部分をとって4分に構成するのか興味がありました。
    ノクターンのようなピアノソロは、スケートの滑りには合わないのではないかと思うのですが、オーケストラと一緒のコンチェルトは、ドラマになりますね。
    ほとんどスケートを滑れない人までもが、いっせいにスケート評論家のように着地がどうの、ジャンプの難易度がどうのと批評していて、笑えることも多いですが、人間技と思えない技術とセンスと努力で競う美の世界には、感動しますね。

  2. けんフロム神戸 より:

    羽生選手、恰好よかったですね。
    ライヴで見ていた1/4の組です(笑)。
    金メダルになったかどうか確認する時に羽生選手が言った言葉が…、
    I’m first? I’m first? O my God O my God
    テレビを見ていて「あんた、どこの国の人やねん」って思わず突っ込みそうになりました(笑)。
    浅田選手、フリーを見終わって、もらい泣きしてしまいました。
    SPが16位に終わったとき、心ない言葉を発した方もおられたようですが、ミスは、ある種、必然です。ミス無しの演奏、ミス無しの人生…、あり得ないです。それを乗り越えた浅田選手、良かった!
    一流選手のパフォーマンスはスポーツ、競技の枠を超えて、芸術的です!!
    フィギュアの場合、音楽も大事ですよね。
    ラフマニノフの第2番、仮面舞踏会、ボレロ…。
    曲と滑りがマッチしたとき、化学反応が起きるんでしょうね。