“ベートーヴェン・オーケストラ・ボン”演奏会

東京オペラシティコンサートホールで、今年創立100周年を迎えるドイツのオーケストラ、“ベートーヴェン・オーケストラ・ボン”の演奏を聴きました。
指揮・音楽監督は、ウクライナ出身のロマン・コフマンさんです。
最初に、序曲<レオノーレ>第3番、そして、ボリス・ペトルシャンスキーのピアノ独奏で、ピアノ協奏曲<皇帝>でした。
ベートーヴェンの生地ボンで生まれたオーケストラの創立100周年記念の演奏会。
自然で素朴なメンバーに、見事なタクトで方向性と味わいを加えていくマエストロ。派手さや奇抜さからは縁遠い、堅実な音づくりでした。それがかえって、ベートーヴェンの持つ斬新な語法と情熱を浮き立たせ、会場を熱狂が包みました。
ロシアのピアニズムを体現するペトルシャンスキー氏のピアノは、メリハリのきいた個性ある演奏。クレッシェンドとあるところをディミニエンドにしたり、譜面にはないスタッカートを加えたり、大切な音の前で止まる寸前というくらい、かなりの間をとったり・・・と独特の解釈でしたが、コフマン氏の驚くべきサポートで、オーケストラとの結合が行われている、という印象でした。

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