映画『マリー・アントワネット』

練習を終え、夜思い立って、8時50分からのマリー・アントワネットを見に行きました。
立川シネマIIは、新しくできた映画館で、とても綺麗です。
内容がない、くだらない、浅薄、、、、という友人たちの前評判だったので、どうしようか、と思ったのですが、昼間、ドゥシェックやラ・マルセイエーズを練習していて、どうしても見てみたくなって、出かけた次第です。

ソフィア・コッポラは、マリー・アントワネット像を、現代の女の子ふうに、ポップに描き、異国に嫁いだ少女の悩み、お世継ぎプレシャーの苦しさを、人間的にスクリーンに写し出しました。
低い位置からのカメラワークが多く、近い臨場感のある映像でした。
実際にヴェルサイユ宮殿で行われた撮影ということもあり、雰囲気や色合いにリアリティがあって楽しい映画でした。
衣装や料理のシーンも、往時を偲ばせるというより、よりショッキングな色使いで再現しているような感じがしました。

オペラが好きで、自らもピアノを演奏したマリーアントワネット。
彼女の贅沢を、時代がそれを許さなかった―パンがない民衆の叫ぶシーンとテーブルの上に繰り広げられるフランス料理の数々の対比。
歴史的な深刻さや、内面表現に迫る面が希薄だけれど、朝帰りをした日の湖の美しさや、狩のシーン、興しいれの儀式のシーンなど、綺麗な映像は楽しめる映画でした。

コメント