ソナタコンクール本選

東音ホールで開催されたソナタコンクール本選に審査員として奈良場恒美先生、鳥羽瀬宗一郎先生、清水将仁先生、仲田みずほ先生と共に、予選を勝ち抜いた皆様の演奏を聞かせていただきました。
朝10時半から夜6時半まで57名の参加者の皆さん。ジュニア育成部門、ソナチネ部門においても大人顔負けの腕前を披露してくださったジュニアの姿は頼もしい限り。アナリーゼやマスタークラスでのレッスンを経ての参加ということもあり、ソナタ部門でも、着実な演奏が繰り広げられました。

指を速く動かす、大きな音を鳴らす、跳躍和音でミスタッチしない、などのメカニカルな技術を「テクニック」と呼ぶとするとこの若さでよくぞここまで!というほどのテクニック界の長足の進歩を証明するような演奏が続きます。
では、その先にあと何が必要か、というところでピアノの奥深さが見えてきます。
音と音の関係と意味、音の色の変化、全体像の組み立て、感情の襞、重い音と軽い音のメリハリなど、特に「古典」は演奏者が何を感じ、何を伝えたいかが如実に見えてしまうジャンル。「誤魔化し」や「お化粧」は一切通用しないシビアな音世界。

ただ単に「うまく」弾けた!の先に、何を表現するのかが無いと空虚な演奏になってしまいます。
審査員全員の意見を代表して奈良場先生が「弾くことはみなさん素晴らしい、聴く事をできる人が少ない」ときびしい一言。
でも、、、これだけの完成度で堂々と弾き切る自信と集中力を持った本選出場者の皆さんの今後の大きな成長を確信!しながら会場を後にしました。

自分自身、勉強途上。。。若い頃、素通りしていた魅力が目の前に立ち現れたり、見えなかったものが見えたり、、、深い森には楽しさがいっぱい。
弾いても弾いてもわからないことが次々に出てくるのですが、古典は、汲めども尽きせぬ深さを持った泉。
時代を超えても色褪せない普遍性を持った芸術を享受できる幸せを感じながら、共に音楽を追求していきたいと思います。

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