国立音大では、名教授陣による授業が年に1度公開されています。
今日は、大関博明先生のアンサンブルの授業。
演奏会前の最後の仕上げのために、チャイコフスキーの弦楽セレナードの特訓です。
私にとって大好きな曲のひとつです。
「縦に合わせようとした演奏はつまらない。横に合っているかどうかが大事。」
「フォルテは、強さじゃない、温度の差なんです」
「オーケストラで合っていない、と思うときは、全員があっていないわけではなく、ほとんどの人が合っている中で、何人かがあっていないだけ」
言葉だけとらえると、暗号かもしれませんが、音楽をやっている人間には、最も理解しやすい指摘です。
ヨーロッパで長く活躍してこられた大関先生の音楽センス、そして、曲を仕上げていくアプローチ、学生たちの心に火をつけるエネルギーには、感服しました。
先生の指導によって、一見クールに見える学生たちがどんどんヒートアップし、もともと持っていたマグマや情熱が表に出てきます。
こういう授業を受けることができる学生たちは、なんと恵まれたことでしょう。
国立音大は、アンサンブルを重視した大学と言ってよいかと思いますし、私自身も国立に来て、名手揃いの先生方や先輩方から、アンサンブルの勉強をさせていただいてきました。
ひたすら個人芸に磨きをかける生き方もありかもしれませんが、
音楽を共に学ぶ仲間がいる「大学」にいるからこそできる勉強のひとつに、「アンサンブル」があるのではないかと思いました。
きっとそれは、長い人生の中で、一生の財産になることでしょう。
コメント
オーケストラは、社会の縮図。
指揮も会社経営も共通点が多いのだろうと想像します。
異なる個性が集まり、それぞれの良さを発揮しながら調和し、一つの目標に向かって力を結集する。
アンサンブルも会社もその歯車がうまくいけば、成功への階段を登るのですね。
アンサンブル、
サラリーマンですが同感です。