リスト生誕200年に寄せて

ホテルオークラ新潟で、国立音大新潟県同調会主催のコンサートに出演させていただきました。
今日は、オールリストプログラムです。
美しい眺めの10階のお部屋から4階の会場までエレベーターで20秒、というのは、出演者にとってベストのありがたいロケーションです。
カワイのグランドピアノが置いてあるサロンに到着。

「アベ・ヴェ・ヴェルム・コルプス」は、初めての本番で、念入りにリハーサル。
リストの編曲は、ロ長調のまろやかな美しい響きに転調されています。
リストは、「ドン・ジョヴァンニ」から「お手をどうぞ」もピアノ編曲しています。
こちらの方は、きらびやかな宝石をいっぱいに着飾ったド派手ドン・ジョヴァンニが登場しますが、「アベ・ヴェ・ヴェルム・コルプス」はほとんど技巧のお洒落を加えない編曲です。
ピアノ界のドン・ジョヴァンニ=リストは、モーツァルトの宗教曲の聖なる透明な響きに対しては、
「何も加えない」
という姿勢を貫いています。
静かに天国に向けて弾くような気持ちで弾きたいといつも思います。

客席はすべて新潟県で活躍されておられる国立音大の卒業生の皆様です。
こまかな音まで皆聞き取ってくださっている、という実感を感じながら弾かせていただきました。

懇親会では笑いが絶えず、音楽談義から食べ物談義まで和気藹々。
今年は、新潟県の見附ホールでモーツァルトの次のCDの録音をしましたし、先週も中央高校でのリサイタルで新潟に来たばかり。
年々ご縁が深くなる新潟です。
米どころ、水どころの新潟のみなさまは、とにかくお若い!
実年齢を聞いても絶対に冗談としか思えないのです。
プリプリのお肌は、もしかして日本酒の酵母エキスのせいかもしれません。
歴史的楽器の話やら大学の頃の思い出話など、大いに盛り上がりながら、新潟の夜が更けていきました。
お世話になりました新潟県同調会の皆様に、心から御礼申し上げます。

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