朝日カルチャーセンター新宿でのモーツァルト 「生涯と作品」 4回シリーズのうち、今日で3回目が終了しました。栄光のモーツァルト ~ウィーンで生まれた名曲たち~ と題した今回。最も充実したモーツァルト円熟期の作品群を取り上げました。
短い生涯のクライマックスと言ってよい時期の作品、K466、K333など、お話ししながらテンションも上がります。回を追うごとに受講生の皆様の数が増え、モーツァルトファン、そして演奏される皆さまの層の厚さを感じました。
次回6月6日(土)13:00~が最終回となります。晩年のモーツァルト~光と影のうつろい~と題し、ロンドK511、ピアノ協奏曲第27番、自動オルガンのためのアンダンテK616などを取り上げます。
5時半に講座を終了し、質問などをお受けしてからダッシュで新宿文化センターへ。高橋博子さんのオルガンリサイタル「クロチルドのオルガニスト」に伺いました。2004年から新宿文化センターの専属オルガニストを務めておられる高橋さん。以前、コンサートで、楽屋が一緒だったことがあります。優秀なキャリアとは裏腹に気さくで明るいお人柄の高橋さん。笑いが絶えない楽屋となり、楽しいひとときでした。ステージでは、きびきびした動きと確実なタッチで、カヴァイエ・コル型の大オルガンを堂々と響かせておられました。専属としてホールや楽器を知り尽くしているからこその自信の賜物でしょう。
リサイタルのタイトルともなっているパリのサント・クロチルド教会は、セザール・フランクが初代オルガニストを務め、第2代のピエルネ、第3代のトゥルヌミール、第4代のボナール、第5代のラングレ、、、と偉大なオルガニストの歴史が続きます。今日のプログラムは、トゥルヌミール、ラングレを2曲づつ、そして最後にフランクのコラール第1番という構成。
盲目のオルガニスト、ラングレの円熟期の「中世組曲」を初めて生で聴くことができました。グレゴリオ聖歌が用いられた作品。新宿文化センターが中世にタイムスリップしたような空間に・・・。瞑想的な即興曲から堂々たる終曲まで、響きの大伽藍に圧倒されました。
私が大学院修士で選んだ作曲家は、フランクでした。「プレリュード、コラール、フーガ」、「プレリュード、アリア、フィナーレ」を演奏し、フランクについての論文を仕上げたのがウン十年前。オルガニストの書いたピアノ曲は、独特の響きと精神性を持っており、ほかの作曲家にはない魅力を持ったピアノ作品です。卒業後、あまりフランクをステージに出してこなかったのですが、帰宅して久しぶりにフランクの楽譜を引っ張り出し、弾いてみました。学生時代、手が届かなくて難儀した箇所もふわりと手を置くことができ、自分の手は大きくなっているのかも?!と感じた次第。時を経て、この2曲に再挑戦してみようかと思っています。
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