冬の花火

卒業試験、学年末試験、入学試験、コンクール審査、、、。2月は、審査用紙を目の前に演奏を聴かせていただく日が続きました。

入試を終え、夕方大学から山梨県へ移動。久しぶりの親孝行で母と一緒に温泉に行きました。源泉かけ流しのまろやかなお湯が、身体を芯から温めてくれました。母は、私の数倍元気で、普段から体調管理も健康診断も万全なタイプ。温泉に浸かってさらにエネルギーを充電してくれたようです。

食事を終えた私たちに、宿のおかみさんが、「今日は、お客様はラッキーです。この冬一番の花火が見れます。付近の住民の方から騒音の苦情が来て、花火は明日から中止。今夜が最後なのです・・・。」と笑顔で教えてくれました。

冬に花火・・・?!ホノルルでお正月に花火が爆竹とともにバンバン上がったのは見たことがありますが、日本ではあまりお目にかかることはありません。「湯冷めるからよしたら?」という母を説得し、屋上に上がって見ることにしました。

時間通りに「冬の花火」が始まり、期待をはるかに上回る量の花火が石和温泉に響き渡り、色とりどりの花が夜空に広がりました。これには母も大喜び。親孝行のおまけが付いた?!感じです。

夏に見る花火は、華やかで楽しい賑わいの色ですが、冬の澄み切った空気の中で上がる花火は、限りなく透明で凛としています。最後の大きな花火が終わるともとの暗い夜空に戻り、一抹の寂しさが・・・。冬の夜空にありがとう!と言いながら部屋に戻りました。

母が寝静まってから、現実に戻り?!確定申告書類や大学関係の書類を仕上げ、深夜、眠りにつきました。目をつぶっても花火の残像が瞼に残っています。津軽を舞台にした太宰治の「冬の花火」が心に浮かび、青森に暮らした若い日のことを思い出しました。

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