バッハの生涯~「故人略伝」を読む~

国立音楽大学 音楽研究所の「バッハ演奏研究」2009年度第1回講演。
お話は、礒山雅先生です。

世に多くあるバッハの伝記の源となっているのは、弟子と息子によって編纂された「故人略伝」です。
あらためて原典にたちかえり、バッハの生涯、作品、人間と活動について、信頼すべき情報をもとにお話しされました。

・大バッハは、作曲家としてよりも大オルガニストとして広く認知されていたこと。
・10歳にして親を失ったこと。、
・一族の系図を残すほどBACH家に誇りを持っていたこと。
・再婚相手であるソプラノ歌手アンナ・マグダレーナとの29年間の結婚生活
・晩年の失明の原因
・調律から修理までこなし、オルガン制作者たちをもたじろがせるほどの知識と能力を持っていたこと。
・モーツァルトとは対照的に手紙を書かず、有能な人たちと歓談し、家にはいつも大勢の客人や住み込みの弟子などでにぎやかだったこと。

などなど興味深いお話が、
現代の最先端のバッハ演奏の映像とともに、繰り広げられました。

あらためてバッハの偉大さを感じる2時間でした。
一般のお客様にも開かれていた今夜の講演、
「バッハが身近になった!」という声が客席から聞こえました。

会場では、久しぶりにチェンバロやフォルテピアノ奏者の先生方にお会いしたり、今年度の研究課題をCDで聴いたり、しばしバロック時代に心を傾けた夜でした。

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