Beethoven @ Studio Berceau

山から海へ。

茅ヶ崎駅から徒歩3分。爽やかな海風に吹かれながら、スタジオ・ベルソーに。
エレベーターに乗ると「満員御礼」のパンフレットが目に入りました。ありがたいこと!

会場には、かつて来日公演をされた折のイエルク・デームス先生のサインが。

リハーサルを始めた私に、「YUKO!何しに来たんじゃ!」とデームス先生のお声が聞こえてきそう。

上品な色使いとマホガニーの美しい床。オーナーの小杉道子先生の想いが体現された優雅な雰囲気は、ベーゼンドルファーのまろやかな響きとともに、ヨーロッパにいるような気持ちにさせてくれる空間です。

ベートーヴェンのソナタ、しかも4楽章のソナタを4曲。決して軽いプログラムではありません。ベートーヴェンのソナタ32曲を「ピアニストにとっての新約聖書」に喩えたのは、ハンス・フォン・ビューロー。そして解釈を巡っては、厳格なスタイルから自由なスタイルまで、演奏家の全てが如実に現れる鏡のような存在。見る度に新しい発見があったり、やってもやっても終わりが無い世界でもあります。
それでも、その時の自分の出来る限りを尽くして向きあう中で、何かを得、演奏・表現の歓びを与えてくれる音楽です。

この旅に、お付き合いくださり、見守ってくださる皆様に感謝しつつ、演奏しました。
終演後は、「田舎鮨本陣」で打ち上げ。

おしとやかだと思っていた女性が実は超アクティブな方だとわかったり、完璧な知性派の先輩が抱腹絶倒の冗談を次々に飛ばしたり、調律師さんの故郷の話に盛り上がったり、デームス先生来日の時の思い出話に花が咲いたり・・・。
ベートーヴェン談義とともに、楽しいひとときでした。
お世話になりました皆様、ご来場の皆様に御礼申し上げます。

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