ハクサン(お好み焼き)

2004年暮れ、神戸・元町のアマデウスでのコンサートで演奏した翌日、昼どきに入ったお店です。
三宮駅の南、サンプラザの1Fにあります。サンプラザができる前からある老舗です。
左の写真ではちょっと見にくいのですが、「大貝、カキあります」と書いてあります。カキはともかく、大貝は、東京ではなかなか見かけない珍味です。
神戸のお好み焼き屋さんにはときどき入るのですが、メニューに「大貝」と書いてあっても「ごめんな。ねえちゃん。今日は大貝終わっとるんよ。今度は置いとくからかんにんや」と言われることもしばしば。

最初、関西のお好み焼きやさんに入ったときは、まわりがいったい何を注文しているのかわからず、ほとんど外国語を聞くような感じでした。ミックスのことを何故にチャンポンというのか?!焼きそばが混じっていると何故”モダン焼き”と名称を変えるのか、わからないことだらけでした。
しかもびっくりしたのは、あっちのテーブルもこっちのテーブルも上品そうな奥様までもが”こて”から直接お好み焼きを口に運んでいるのです。
この日は、ラッキーなことに大晦日にもかかわらず「大貝あります!」の期待は裏切られることがありませんでした。さっそく大貝、それに鮹の二種類が入ったチャンポンのお好み焼きを注文しました。
きちんとした神戸のお好み焼き屋さんには、ソースは「辛口」「甘口」の二種類が置いてあり、「甘口」のソースをたっぷり塗り、青海苔と鰹節をふりかけていただくことにします。
コテで切れ目を入れると、何とも言えない香りが広がり、否が応でも食欲をそそります。ふんわりとした生地の中に、大貝と鮹がたっぷり入っていて大満足。ビールにとっても合いました。
お好み焼きは、作り方は簡単なように見えますが、お店によってどうして味がこんなに違うのでしょう。固かったり、ぱさぱさだったり、まだ焼けていないのに出してきたり・・・といったお店もあるのですが、ハクサンのお好み焼きは、伝統ある神戸のお好み焼きの味をよく今日に伝えているようです。マヨネーズを乗っけていないのも志の高さが窺えます。
もう1枚たべたいなぁ。。。と思うところでやめておくのが、関西のお好み焼き道とか?!それにしても隣の綺麗なお姉さんもお好み焼き歴ウン十年と見受けられるおじいさんも、コテ使いのうまいこと、うまいこと。

東京人の私は、やっぱりコテで切って小皿に乗せて割り箸で食べる、という芸大のコンパで覚えた食べ方しかできません。いつかコテで直接食べられるようになったときが、お好み焼きの通に仲間入りできるときかもしれません。

(2005年1月15日記)

 

久しぶりに、大晦日にハクサンにお邪魔しました。
ちょうど、昼時だったせいか、次々にお客さんが訪れ、それぞれの流儀で、注文されていました。
きょうは、まず、大貝、蛸、烏賊が入ったちゃんぽんのお好み焼き、それに、蛸、海老が入った入ったやきそば、ネギ焼き、そして、大貝の塩焼き(写真)、と、本能が赴くままに注文してしまいました。
マヨネーズはついていませんし、やはりこのお店では、マヨネーズがない、とか、マヨネーズをつけて、とか、注文をつける人はいません。

(2009年12月31日記)

ハクサン
神戸市中央区三宮町1-8 サンプラザ1F 121号
078-331-5630

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