樽一(郷土料理)

靖国通りから、コマ劇場に向かう通りに入ってすぐ左の雑居ビルの中にあります。
映画館に急ぐ人々、路地裏に消えていく人々の熱気で溢れかえっています。そぞろ歩く人並みから外れて古びた雑居ビルの入り口を入ります。古いエレベーターに乗り、5階にで降りれば、そこは、けたたましいバックミュージックもかかっていないのに、喧噪と熱気溢れる酒飲みたちの世界が出現します。夥しい数のメニューが一面に貼られ、頼むのに迷ってしまいます。

このお店のメニューは実に豊富ですが、名物は鯨料理のかずかず。メニューには鯨の解剖図があり、それぞれの部位にしたがってさまざまに名前がつけられた刺身が供されます。
まず、「さえずりの竜田揚げ」をかじながらビールで喉を潤し、次に、「紅白造り」(下の写真)を注文します。
赤身に脂身をはさんだ、2種類の味が楽しめるお刺身です。

山口県宇部の地酒「貴」はなかなかさわやかな味。
続いて、店主の佐藤さん奨め「鹿の子造り」(下の写真)に挑戦。赤身と脂身が適度に混じり合い、複雑系のお味です。

鯨以外にも、生け簀に入れてある穴子は、刺身のほか白焼き、蒲焼きなどで楽しめ、さらには、生牡蠣、関鯖、帆立、キンキ、鰯など酒がすすむこと請け合いのメニューが並んでいます。
まさに海の幸を愛する地酒通にはこたえられない充実ぶりです。(2008.11.22記)


 

雨の土曜日、国立音大の講義を終えて、西武新宿線の新宿駅を降り、歩いてすぐの「樽一」に向かいました。久しぶりです。
入ったのは7時過ぎだったので、席はあいていましたが、どしゃぶりだというのに、すぐに満員になりました。相変わらずの人気店です。
「樽一」と言えば鯨。
さっそく、鯨の刺身の三点盛りを注文。赤身のほか2点でしたが、脂そのものという部位もあり、これは、お店の方には叱られるかもしれませんが、続いて頼んだハリハリ鍋に入れることにしました。
ハリハリ鍋は、刺身とは違った部位が入っていて、京菜ととても合います。深い味わいの鍋となりました。

(2011.6.13記)

樽一
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-17-12第1浅川ビル5F
TEL : 03-3208-9772~3
FAX : 03-3208-9881

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