日本モーツァルト愛好会 第509回例会@トーキョー・コンサーツ・ラボ

3月6日午後、日本モーツァルト愛好会の例会に参加させていただきました。講師は奥田佳道先生。演題は「管楽器が充実したモーツァルトのピアノ協奏曲」。

歴史あるスコットホール付近を散歩し、会場に入ると、すでにモーツァルト愛好家の皆さんの熱気で溢れていました。

NHKラジオ『音楽の泉』でも人気の奥田先生。これまでコンサート評論やCDジャケット執筆などを通じてお世話になってきましたが、直接ご挨拶の機会を初めて頂戴しました。

モーツァルトが管楽器に目覚め新しい境地に達したとされる1784年からスタート。「ピアノ協奏曲第17、18、19番」や「ピアノと管楽のための五重奏曲」を中心に、モーツァルトがいかに管楽器を愛し、いかに重要視していたかを詳細にご解説くださいました。最新の研究成果、ヨーロッパでの体験談、政治情勢から留学先でのエピソードまで、昏々と湧きいずる泉のごとく、お話が流れます。会場さえ許せば、一晩中でも続けてお聞きしたいほどの内容です。

リヒテンシュタイン侯爵が家でオペラを上演するため、フリードリヒ・ラムというオーボエの名手はそちらに行ってしまった・・・仕方なくモーツァルトは《ピアノと管楽のための五重奏曲》の初演の日をずらさざるおえなかったというエピソードや、クイズ「オーケストラの楽器の中で、当時最も給料の高かった楽器は何だったでしょう?」など、客席全員、身を乗り出して聞き入る3時間。

NHKラジオ番組での穏やかな解説とは趣が異なり、途中挿入される「本音トーク」はライヴならでは。録音と生演奏では波動が違う、というのは演奏に関してよく言われる事ですが、お話も全く同じ!音楽と音学の狭間を縦横無尽に飛翔なさるエネルギッシュな奥田先生ワールドに魅せられた午後でした。

コメント