Addio

声楽家、佐竹由美さんが、3月4日神様のもとに召されました。
昨年12月のクリスマスでは、霊南坂教会のミサで献唱されていたそうで、
3月9日告別式の前夜式では、その時の歌声が静かに流れました。

佐竹さんとステージでご一緒したのは、2018年の3月。
シューベルト:「岩上の羊飼い」でした。
シューベルト最後の歌曲。

「春が来ようとしている。春、私の喜びよ、
私は旅立つ用意が出来ている。」

憧れを残してこの世を去ったシューベルト・・・。
ウィーンの師匠イエルク・デームス先生がアメリングさんの伴奏をした名盤で、愛聴してきました。

佐竹さんの歌唱も、難曲をいとも軽々と楽し気に歌い、
Der Frühling (春)の輝きそのものでした。
4年後の春が来る季節に、本当に旅立つなんて、その時全く考えもしませんでした。

透明で上品な歌声、明るく気さくな人柄、知的で深い音楽への洞察力。。。
お花と動物と自然が好きで
「お散歩で見つけたたくさんの花」や「愛くるしいワンちゃん」がFB投稿されていました。

今度一緒に舞台に乗るときは、
私の大好きなTOSTIのADDIO(さようなら)をプログラムに入れてくださる、という約束でしたが、
叶わずに旅立ってしまいました。

「声楽家としての生きざまを教えてくれた」という
たくさんの仲間達の言葉が胸に沁みます。

今頃は、たくさんの春の花に囲まれ、神様の近くで歌い続けていることでしょう。
安らかに。。。
そして、美しい音楽を「ありがとう」

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