今秋、9月24日に国際モーツァルテウム財団 ウルリッヒ・ライジンガー博士が来日され、第一生命の大会議室で、新しいケッヘル目録の出版についてご講演をなさいました。
授業に重なり、お伺いできなかったのですが、
国立音大の図書館に入った翌日、一番乗りで拝見することができました。
お値段は1冊151,470円也。輸入ものは、最近簡単には手が出ない金額の物が増えてきてしまいましたが、図書館は有難い限り。
約40年ぶりとなる今回の新版。もともとのケッヘルによるナンバリングに回帰され、KV627 以降に、90以上の新たな収録が行われました。
もともとのケッヘルナンバーが親しまれている現在、この方法が一番相応しいというのが、校訂者のウルリッヒ・ライジンガー博士のご判断なのでしょうか。
あらためて分厚い目録を見ながら、偉大な天才モーツァルトの膨大な仕事量、作品の数に圧倒されました。
「作曲家と作品分析」のゼミ授業でも取り上げ、学生と共に、これまでの目録とどこが変わったのか比較したり、主題一覧や文献目録などのページを繙きました。
モーツァルト研究が専門の音楽学の友人は、ウィーンの老舗楽譜店ドブリンガーから取り寄せ、待ちに待った末、ちょうど自宅に届いたところだそうです。「モーツァルト命!」の彼は、嬉しさのあまり目録にキスしている写真をLINEで送ってくれました。
私達が学生の頃は、重い楽譜や書籍や辞書を鞄に詰めて歩いたものですが、最近は、iPadで楽譜を見る学生が増え、辞書もスマホのアプリで済ますことができ、わざわざ重い紙の楽譜や本を持ち歩いたりする必要もなくなりました。
でも私を含め、根強い「紙派」も健在で、キャリーケースで大学と家を往復する同僚を見ると「我が同輩!」と肩を叩きたくなってしまいます。
そういえば、イエルク・デームス先生は、来日するたび、キャリーケースを購入して帰国されていたそうです。なぜそんなにキャリーケースが好きなんだろう。。。と周りの人は不思議がっていましたが、
楽譜が多く、移動が多い先生にとって、キャリーケースは強い味方だったのかもしれません。
でも・・・キャリーケースにつまずいて転び、大怪我をした人を3人知っています。
いつの間にか、カレンダーが最終頁。気忙しくなる師走。お互い、気を付けて、転ばないよう、急がないよう、歩きましょう。
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