国立音楽大学と羽村市の連携コンサート「輝けるバロックの饗宴」おかげさまで無事終了しました。
2025年の始まり、どっぷりバロックに浸った新春でした。
現存する最初のオペラ、ヤコポ・ペーリの「エウリディーチェ」が上演された1600年からバッハが亡くなった1750年。その150年間をバロック時代と呼んでいます。
ピアノ弾きとしては、ピアノ誕生の1700年以降が主たるレパートリーになるのは当然のことですが、今回は、チェンバロ弾きとして、バッハ以前にも挑戦した一日でした。
音楽の父バッハ、音楽の母ヘンデルという文言が古い音楽の教科書に載っていた記憶がありますが、父と母の前に祖父、祖母がいるように、バッハ以前にも豊穣な世界が広がっています。
今日は、バッハの声楽、室内楽、チェンバロソロ作品に始まり、ヘンデル:「オンブラマイフ」「私を泣かせてください」なども交えながら
カッチーニ:「アマリッリ」 マラン・マレ:「膀胱結石手術図」、パーセル:「レ・コントルフェズール」、カンプラ:「愛すべき征服者」、ペツォールト:「メヌエット」など。。。
歌あり、チェンバロ・ソロあり、室内楽(+楽器紹介)あり、そしてバロック・ダンス(+解説)まで。まさにバロックの「饗宴」となりました。
この演奏会、気付いたらプログラミング、出演依頼などのプロデュースからチェンバロ・ソロ、通奏低音、伴奏、司会、練習スケジュール調整、と何役もしていて自分でもびっくり・・・。ひとえに、みなさまの協力あってのこと。
感謝+感謝!でした。
今年に入っての仕込み(合わせ)は、和気藹々のうちにも、バロック畑のベテラン奏者の方からのアドバイスや、バロック・ダンス第一人者の浜中先生からのリクエストなど、多くのことを吸収させていただきました。
たとえば、悲しみの場面で「音を小さくする」ために、ピアノではタッチを弱くするのですが、チェンバロでは、弾く音を少なくする。そんな当たり前のことをひとつひとつ経験値の中にしみこませながら、ちょっとずつマシな演奏を目指していく感じでした。
カーテンコールの一コマ。
右から北條耕男、浜中康子(バロック・ダンス)、坪田一子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、大西律子(バロック・ヴァイオリン)、菊池奏絵(フラウト・トラヴェルソ)、長島剛子(ソプラノ)、私(チェンバロ・お話)、グザヴィエ・ビュロー(マラン・マレ役ナレーション)(敬称略)
楽譜に書いてない音を即興で弾いたり、装飾したり。。。これは古楽奏者の方々が当然のように行っていることですが、ベートーヴェンから近代までの曲をレパートリーとしているピアニストには縁遠いこと。
自分自身、あ~まだまだ。と思うことばかりでした。でもライヴの醍醐味、アンサンブルの愉悦、その入り口を垣間見た、と言ったところでしょうか。
お寒い中お越しくださった多くのお客様、温かい拍手に御礼申し上げます。
終演後、チェンバロを囲んで記念撮影。
「せっかくだからピースだけじゃなくて、バロック式も撮りましょうよ!」という浜中先生の提案で、ちょいと手をあげて舞踏スタイル?!
みんなの笑顔が嬉しかったです。
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