水戸茂雄リュート・リサイタル

大久保通りにある「日本福音ルーテル東京教会」は、ご近所にあり、学生時代は通学コースにあったのですが、中に入ったのは、今日が初めて。
この教会で、水戸茂雄さんのリュート・リサイタルが開かれました。
バロン、ケルナー、ロイスナーなど17世紀から18世紀にかけての作品、そして奥様の名取典子さんのフォルテピアノと一緒にハイドンのカッサシオン。

礼拝堂の素晴らしい音響の中でつまびかれる両者の音色の素晴らしいこと!眼鏡をとって涙をふいている男性も見えます。
リュートの魅力を堪能した一晩でした。冷静に聞くと一人でよく一度きにこれだけの音を鳴らせる、とテクニカルな面でも感嘆するのですが、音色にうっとりしてしばし時を忘れてしまいました。

それにしても教会の中ではフォルテピアノ(ヴァルターのレプリカ)とリュートの音の相性が際立ちます。水を得た魚のように音が踊り出すのです。空気をさまざまな色に染めあげ、耳を傾ける者たちに心地良い音のシャワーを降り注ぐかのようです。

ご夫婦ということもあって水戸さんと名取さんのアンサンブルの息の合いようは、半端でなく、まったくの合図なしなのに、すっと音楽に入っていくのは、驚異的。
どこからどこまでがリュートの音でどこからがワルターの音なのか、時々境目が見えなくなるほどの溶け合いようでした。

終演後、思いがけず、音楽学の永田美穂さんに会場でバッタリお会いし、お互い夕食がまだということで「お寿司でもつまんで帰りましょう」となったのですが、そのお寿司屋さんがつぶれてしまっていて、韓国料理店へ。ハングルが飛び交う中、いろいろとお話をお聞きすることができ、楽しいひとときでした。

コメント