先日、映画「のだめカンタービレ」に出演した友人から電話がかかってきました。
「ごめん。年賀状のお礼も書かなくちゃいけない・・・と思いつつ半年たっちゃった。「のだめ」も見ようと思ってたら映画館に行きそびれちゃった。今度DVDで見るね。ホントごめん。」
と不義理ぶりを平謝り。
映画は大好きでテレビや雑誌で予告があると
「絶対行かなきゃ!」
と思いつつあっという間に終わってしまって、ああ、また見ないうちに・・・と逃してしまう今日この頃。
そんな感じで逃した映画のひとつ、
「善き人のためのソナタ」
のDVDを見ました。
深い心の襞をじっくりと追った作品で、同時に壁崩壊前の東ドイツの演劇人など芸術家の境遇がにリアルに描かれ、胸がつまる思いでした。
自らの活動のために恋人すら裏切らねばならなかった女優の深く悲しい人生、立場を超えて芸術家を守ろうとした男が失ったものと得たもの。
ラストシーン「これは私のための本」と「善き人のためのソナタ」を微笑みとともに手にしたときには、涙があふれます。
「このソナタを聴いた者は悪いことができなくなる」
という台詞が印象的ですが、音楽の力を信じる者によって創られた作品で、さすがドイツの映画!という感じでした。
派手さはなく、淡々と人物を追った中に、凄いドラマがありました。
作品全体がソナタ形式を思わせるようながっちりとした統一感が垣間見えます。
主題と哲学を感じることが出来た、久方ぶりに観たいい映画でした。
コメント
主役の俳優さん、あの映画公開のあとすぐに天国に行かれてしまったそうです。素晴らしい演技を残して・・・。撮影時、すでに癌だったのだそうです。
DVDを借りてきて観ました。
ベルリンの壁時代の東ドイツで、
監視社会が続いていたことを
初めて知りました。
その夜以降、
ビデオを観る夜が増え、
『病気が始まった』と
家族が嘆いています。